【高校英文法】分詞構文とは?作り方や用法を例文付きでわかりやすく解説
分詞構文といえば英文法の中でも難しく、苦手意識を感じて曖昧に覚えた状態になります。
しかし、英作文には必要不可欠になるため、一つひとつのことをきちんと理解しないといけません。
この記事では分詞構文の使い方や表現できる範囲を紹介し、覚えるべき用法を解説して曖昧な知識を整理できるようにします。
このため、分詞構文に対して苦手意識があれば参考にするとコツをつかめ、英作文で役に立てるようにすると良いと思います。
分詞構文とは?
英語の分詞構文はメインの文章を修飾する構文であり、「動詞」に「~ing」または「~ed」をつけた分詞を使って表現します。
このため、英語の文章は「接続詞」「主語」「述語」で構成されますが、分詞構文に置き換えると短くて分かりやすく表現できて便利です。
ただし、普段の会話では分詞構文が使われることがほとんどなく、新聞や書籍、論文などに用いられます。
また、分詞構文はフォーマルな文章になり、情報量を維持しながら使用する単語の数を減らせるので便利です。
分詞構文の特徴は現在分詞または過去分詞の動詞が接続詞の働きを兼ね、一部を省略しても文章の内容が相手に分かります。
使われる場所は文頭、文中、文末のパターンがあり、「,」を入れて区別しやすくすると読み手に伝わりやすくなって効果的です。
逆に、そのまま挿入するとほかの部分と混じって違った意味に解釈されることもあり、きちんと「,」で区切らないといけません。
分詞構文は文脈によって様々な解釈があり、情報量が増えて読むために時間を要することを防げます。
このため、ビジネスなどで文章を読みやすくするために使われ、できるだけ簡潔に説明することを求められている状況で役立ちます。
分詞構文は文頭、文中、文末などあらゆる場所で使われる
一部を分詞構文に置き換えると情報量が少なくなって便利
分詞構文の特徴は分詞が接続詞の役割を兼ねて省略できる
分詞構文の使い方と表現できる範囲
分詞構文の使い方は以下のようなパターンがあり、表現できる範囲を覚えておくことが大事です。
- He is sitting on a bench and he is reading a book.
➡He is sitting on a bench reading a book. - The teacher is surrounded by his students, and the teacher is singing a song.
➡Surrounded by his students, the teacher is singing a song. - He stumbled when he was crossing the road.
➡He stumbled crossing the road.
2つのパターンは「2つのことが起こっている状況」と「特定のことが起こっている際にもう1つが起きる状況」で、うまく使い分けると少ない単語の数で相手に伝えやすくなります。
2つのことが起こっている状況
1つ目のパターンは「2つのことが起こっている」状況になり、「現在分詞」と「過去分詞」のパターンがあります。
まず、「He is sitting on a bench reading a book.」の場合は、和訳すると「彼は本を読みながらベンチに座っている」となります。
この場合は以下の2つのことが同時に起き、「ベンチに座っていること」と「本を読んでいること」です。
このため、「He is sitting on a bench and he is reading a book.」に言い換えられ、「and he is」の部分が省略されていることになります。
この文章は主語が「〜している」ことを表しているため、「現在分詞」の「~ing」が使われています。
過去分詞の場合は「Surrounded by his students, the teacher is singing a song.」を例にすると、先生が「生徒に囲まれていること」と「歌を歌っていること」が同時に起きています。
この場合は「The teacher is surrounded by his students, and the teacher is singing a song.」と置き換えられ、「The teacher」と「and」の部分が省略されています。
この分詞構文は主語が「〜されている」と受け身になり、「過去分詞」が使われています。
特定のことが起こっている際にもう1つが起こる状況
次に、「特定のことが起こっている際にもう1つが起こる状況」があり、以下の例文で解説します。
「He stumbled crossing the road.」は和訳すると「彼は道を渡っている時につまずいた。
」になり、彼が「道を渡っている」間に「つまづいて」います。
この文章では「stumbled」の後ろの「when he was」が省略されますが、これでは意味が分からないため「when」のみを残すこともあります。
この場合は「つまづいた」ため「stumbled」と過去形になり、「渡っている」ため現在進行形の「crossing」になります。
分詞構文は共通する部分を省くことで使う単語の数を減らせる
2つのことが起きている状況は現在形分詞と過去分詞がある
特定のことが起こっているときにもう1つが起こる場合は共通部分を省略できる
分詞構文に条件はある?
分詞構文にするためには条件があり、どのケースでも作れるわけではないため注意が必要です。
また、分詞構文が省略できるものは「主語」や「接続詞」になりますが、「主語と動詞の文」の主語が同じでなければ意味が通じなくなります。
このため、2つの節の文章を合わせるときは主語が同じであれば2つの動詞の部分が異なっていてもでき、以下のように共通する部分を省くとスッキリします。
「Jack is sitting on a bench and he is reading a book.」の場合は「Jack」と「he」の部分は同じであり以下のように分詞構文にすると意味が通じます。
分詞構文にすると「Jack is sitting on a bench reading a book.」になり、「he is」を省いても問題はありません。
ただし、「Billy is sitting on a bench and Cathy is reading a book.」のケースは主語が「Billy」と「Cathy」と異なり、それぞれ別々のことをしています。
このため、分詞構文にすると省略できる部分がなく、略さずにそのまま表記します。
分詞構文は主語が同じなら接続詞を省けるが違うとできない
分詞構文で省略できるものは主語や接続詞がある
分詞構文は共通する部分を省けるためくどくなくて読みやすい
覚えておくべき分詞構文の用法
分詞構文は示すものに合わせてそれぞれの使い方があり、以下のようなシチュエーションになるので覚えておくことが重要です。
それぞれのシチュエーションが表すものは4つあり、「時」、「原因や理由」、「条件や譲歩」、「結果」になります。
これらのシチュエーションは基本事項になるため、分詞構文を理解するためには必須です。
また、分詞構文の意味は文脈によって変わってくるため、きちんと表現できるようにしないといけません。
- 時:Waiting at the bus stop, I met Sally.
- 原因・理由:Persuaded by my sister, I bought a new coat
- 条件・譲歩①:Turning to the right, you will find the hospital.
- 条件・譲歩②:Admitting that he faced pressure from his family, he said: “My dad is the kind of man you want to please.”
- 結果:Human Resources emailed me, saying I got the job.
時を表す
最初に「時を表す」場合は「〜するとき」の意味で使われ、その間に起きたことを示します。
「Waiting at the bus stop, I met Sally.」は、和訳すると「バス停で待っているときにサリーに会った」になります。
この場合は「Waiting」の前に「I was」が省略されていますが、「When I waited at~」でも同じ意味の文になります。
原因や理由を表す
次に「原因や理由を表す」場合の分詞構文は「〜なので」または「〜だから」になり、以下のような例文になります。
「Persuaded by my sister, I bought a new coat.」を和訳すると「姉に説得されたので、私は新しいコートを買った」になり、この場合は文頭に「I was」が省略されています。
また、同じ意味の文章を作る場合は、文頭に接続詞の「Since」または「Because」を付けることができます。
条件や譲歩を表す
次に「条件や譲歩を表す」場合は以下のようになり、それぞれのケースを紹介します。
「Turning to the right, you will find the hospital.」は、和訳すると「右に曲がれば病院を見つけられる」になります。
この場合の分詞構文は「〜すれば」で条件を表し、同じ意味の文章を作るなら「Turning」の部分に接続詞を使い「If you turn」に変えてもできます。
譲歩の場合は「~しながらも」になり、「Admitting that he faced pressure from his family, he said: “My dad is the kind of man you want to please.”」を訳すると「家族からのプレッシャーに直面したことを認めたものの、彼は「父はあなたが気にいるような類の人だ」と言った」です。
この場合に同じ意味の文章を作るときは接続詞の「Though」を使い、「Though he admitted」にするとできます。
結果を表す
結果の場合は「そして〜した」の意味になり、以下のような文章になります。
「Human Resources emailed me, saying I got the job.」は「人事部からのメールが届き、採用だと言われた。」と訳せます。
この場合は「Human Resources」の部分が主語として共通するため、「,」の後ろにあるものを省略しても意味は通じます。
また、結果はほかの場合とは違い分詞構文が動詞にかからないため、和訳するときは前から後ろに流すようにすることが大事です。
分詞構文の意味は文脈によって変わってくるためきちんと理解しよう
分詞構文は主に時、原因や理由、条件や譲歩、結果の4パターンがある
省略できる部分は接続詞を使うと同じ意味の文になる
独立分詞構文とは
独立分詞構文は文と分詞の主語が異なり、以下のようなケースになります。
- Weather permitting, we are going on a picnic tomorrow.
「Weather permitting, we are going on a picnic tomorrow.」は和訳すると「天気が許せば我々は明日ピクニックに行く」になります。
この場合は「Weather permitting」と「we are going on a picnic tomorrow.」の主語が異なり、省略すると別の意味になってしまいます。
このため、前半の部分(,の前)を「When weather permits」にすると同じ意味の文章になりますが、「When」を省略して「weather」を残しつつ「permits」を「permitting」にしていると考えるといいかもしれません。
独立分詞構文は文と分詞の主語が異なる場合に使える
同じ意味の文章で接続詞を省略しても通じる
独立分詞構文を使うと短い文章で複数の情報を伝えやすい
まとめ
分詞構文は動詞に「~ing」「~ed」を付けてメインの文章を説明し、英語の文章の一部を置き換えると短くなります。
また、分詞構文が使われる場所は文脈によって変わりますが、「,」を入れないと意味が分からないため注意が必要です。
分詞構文は2つのことが同時に起きているときや、特定のことが起こっているときにもう1つが起こる場合に使います。
しかし、分詞構文を使える条件は主語と動詞の文の主語が同じでないとできないため、違う場合は省略せずにきちんと書きます。
分詞構文の用法は文脈によって変わってきますが、表すものをきちんと確かめないといけません。
また、独立分詞構文は文と分詞の主語が異なる場合ですが、それぞれの主語を省略せずに書く必要があります。
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