TOEIC対策をスコア別に解説|効率的な勉強法やパート別テクニックまで
グローバル化が進み、日本でもTOEIC受験率が高くなってきました。
「TOEICで思うような点数をとれない!」「効率的な勉強をしたい!」
このような方のために、この記事では、スコア別の特徴や勉強方法だけでなく、効率的に勉強するために効果的なパート別のテクニックもお伝えします。
「自分の課題が明確になり、やるべきことが分かる」状態になって頂ければ幸いです。
効率的な勉強をマスターして、自分が目指すスコアをとれるようになりましょう!
【TOEICの対策】TOEICのスコア別の課題
TOEICでスコアアップを狙う際、大切なのは「自分の英語のレベルを把握する」ことです。
なぜなら、英語のレベルすなわちスコアによって対策方法が異なるからです。
本章では、TOEICのスコア別の課題を解説していきます。
500点以下の人の課題
TOEICの総スコアが500点以下の人は、リスニングが200~300点、リーディングが100~200点の人が多数です。
それぞれのセクションの課題は以下の通りです。
リスニングが200~300点の人の課題
リスニングが200~300点の人の課題は、「単語力」「英語耳」です。
初心者の人は、「単語力」不足のせいでリスニングのスコアが上がらないことが多いです。
知らない単語は聞き取れません。
また、「英語耳」も英語初心者の人にとっては重要な課題です。
リーディングと違って、リスニングでは後戻りができないので、英語を英語の語順のまま理解するための英語耳はTOEIC対策には必須といえます。
リーディングが100~200点台の人の課題
リーディングが100~200点台の人の課題は、「英語の基礎」です。
具体的には、基本単語や基本文法といったものです。
TOEICのリーディングでは、75分間で大量の英文を読む必要があります。
そのため、英語の基礎を固めずにはスコアアップは厳しいです。
600点台の人の課題
TOEICの総スコアが600点台の人は、リスニングが300~350点、リーディングが200~300点の人が多数です。
それぞれのセクションの課題は以下の通りです。
リスニングが300~350点の人の課題
リスニングが300~350点の人の課題は、「英語耳」と「音読」の強化です。
リスニングが300~350点ということは、細分まで正確に聞き取れていないことがほとんどです。
そのため、先述の「英語耳」をより強化することで、難易度が高い問題も解けるようになります。
また、問題のスクリプトの「音読」はスラスラ出来ても、英文を理解せずただ読んでいるケースが多く見られます。
加えて、発音やイントネーションが自己流のことも。
せっかく音読をしていても効果が薄いのです。
リーディングが200~300点の人の課題
リーディングが200~300点の人の課題は、「単語力」「文法」「読むスピード」の強化です。
基礎はある程度抑えられているので、それぞれのレベルを挙げることでより難解な問題も解けるようになり正答率も上がります。
また、英文を読むスピードが上がると最後の問題までたどり付けるようになります。
700点台の人の課題
TOEICの総スコアが700点台の人は、リスニングが350~400点、リーディングが300~400点の人が多数です。
それぞれのセクションの課題は以下の通りです。
リスニングが350~400点の人の課題
リスニングが350~400点の人の課題は、全体的なレベルの底上げです。
公式問題集のリスニングをスクリプトを見ずにほぼ理解できる、シャドーイングがほぼできるようになることを目指すと良いでしょう。
また、音読もよりネイティブに近いような発音やイントネーションになるよう練習してください。
リーディングが300~400点の人の課題
リーディングが300~400点の人の課題は、「単語力」と「読解スピード」の向上です。
穴埋め問題の正答率を上げること、制限時間内に全ての問題を解くことを目標に対策をしてください。
800点以上の人の課題
TOEICの総スコアが800点以上の人は、正答率が8割以上で高い実力を持っています。
リスニングが400点前後、リーディングが400点前後の人が多数です。
それぞれのセクションの課題は以下の通りです。
リスニングが400点前後の人の課題
リスニングが400点前後になると、大きな課題はありません。
このレベルにまで達することができたら、あとはどれだけ精度を上げられるかです。
公式問題集のリスニングが100%理解できる、シャドーイングが100%できるよう対策を行うとよいでしょう。
リーディングが400点前後の人の課題
リスニング同様で大きな課題はなく、「単語力」「文法」「読解力」を総合的により伸ばすことに集中しましょう。
公式問題集の正答不正答の理由を100%解説できることや辞書なしで100%読めるように練習するのがおすすめです。
スコア別に課題が違う
初めての受験や初心者はとにかく基礎を抑える
上級者になるにつれ、全体的な英語力の強化が求められる
【TOEICの対策】スコア別のTOEIC勉強法
ここからは、目指したいスコア別におすすめの勉強方法をご紹介します。
600点を目指す人の勉強法
TOEICでは一般的に600点以上であれば、脱初心者レベルだと言われています。
まずは、脱初心者を目指しましょう。
基本単語を覚える
最初にやるべきは基本単語を覚えることです。
確実に押さえておきたいのは、中学校レベルの単語です。
また、その際は必ず発音も合わせて抑えてください。
英語には、「bridge(橋)」のように音とスペルが一致しない単語がたくさんあります。
せっかく意味やスペルは覚えても発音がわからないと、リスニングセクションでは聞き取れません。
中学レベルの文法を覚える
単語の次に大事なのは中学レベルの文法です。
英文を理解するにはまず基礎の文法が大切です。
全ての文法の基礎ともいえる中学レベルを押さえておきたいポイントです。
また、覚えた文法を公式問題集などを使って実際に活用してみることも必要です。
参考書を音読する
並行して、参考書の音読も取り入れてましょう。
ただ英文を声に出して読むのではなく、英文の語順や文法、単語にも注意を向けつつ音読することで英語を英語のままで理解できる「英語脳」を作るのに役立ちます。
700点を目指す人の勉強法
頻出単語を覚える
TOEICには頻出単語があるので、基礎的な単語に加えて頻出単語もしっかりと覚えましょう。
市販の単語帳やアプリを活用すると効率的に単語を勉強することができます。
頻出文法を覚える
基礎的な文法もちろん、TOEICに頻出する文法を勉強するのも有効です。
頻出の文法はある程度決まっているので、頻出項目を網羅した問題集を使うのも時短になるでしょう。
文法を押さえることで、特にパート5の穴埋め問題ではスピードアップが期待できます。
加えて、その他のパートのより高度な問題も解けるようになり、スコアアップにつながります。
公式問題集を繰り返し解く
また、TOEICの公式問題集を繰り返し解くのもおすすめです。
本番の形式に慣れるのと同時に、繰り返し解くことでより理解が深まり、読むスピードも上がってきます。
単語を覚える際、一緒に派生語も押さえるようにしましょう。
例えば「respect(尊敬する」の派生語は「respectfully(礼儀正しく)」「respectable(立派な)「respectful(丁寧な)」といったものが挙げられます。
800点以上とハイレベルなスコアを目指すなら覚えておきたいです。
複数の問題集で勉強する
一冊目の問題集を辞書なしで100%理解できるようになったら、2冊目に移り解答スキルを上げましょう。
複数の問題集を使って勉強することで、より広い範囲の単語や文法を押さえることができると共に、TOEICの問題形式や傾向を把握できます。
市販の模試で経験を積む
さらに解答スキルをアップさせるには、市販の模試で本番同様に問題を解きましょう。
本番は約2時間の長丁場の試験です。
そのため、試験対策をしている段階で本番の感覚をつかんでおくと、本番でも集中力を途切れさすことなく本来の実力を発揮することができます。
目標が600点以上→基本的な単語や文法を勉強
目標が700点以上→頻出項目を押さえ、問題集を繰り返し解く
目標が800点以上→派生語と実践的な問題演習に集中
【TOEICの対策】パート別の対策テクニック
TOEICは全7パートで構成されています。
スコアアップに有効なパート別の問題傾向と対策テクニックを解説します。
パート1の対策テクニック
問題傾向
パート1はリスニングセクションの1番目のセクションで、写真描写問題です。
1題につき1枚の写真が印刷されており、写真についての説明が4文読み上げられた後、最も適切な文を選ぶ形式です。
写真は、人物や風景といったものが描写されています。
また、パート1は全部で6問となっています。
対策テクニック
パート1に有効な対策テクニックとして、「ディクテーション」が挙げられます。
ディクテーションとは、聞こえてくる音声をそのまま文字に起こすトレーニング方法です。
一旦問題を解いた後、不正解の選択肢を含めて全てディクテーションをするとよいでしょう。
自分が聞き取れなかった部分や。
聞き間違いをした部分が明らかになります。
パート2の対策テクニック
問題傾向
パート2は、応答問題です。
質問文に対して3つの答えが放送され、最も適切なものを選ぶ問題です。
質問文と選択肢はいずれも問題用紙に印刷されていません。
問題数は25問です。
対策テクニック
パート2もパート1と同様、ディクテーションがおすすめです。
パート2に関しては、質問文の冒頭にくる5W1H(When・Why・Where・What・Who・How)に特に注意しましょう。
疑問詞を正しく聞き取らないと、質問文で何が問われているのかを正しく理解できず、正しい選択肢を選ぶのが難しくなってしまします。
パート3の対策テクニック
問題傾向
パート3は、会話問題です。
2人または3人の会話の放送を聞き、設問と4つの選択肢を読んで最も適切なものを選びます。
問題用紙に印刷された図などで見た情報と音声の両方を考慮する設問も2~3題ほどあります。
各会話には設問が3問ずつあります。
パート3に関しては設問と選択肢は問題用紙に印刷されているのが特徴です。
問題数は全部で39問です。
対策テクニック
パート3におすすめの対策は「シャドーイング」です。
シャドーイングとは、音声を聞きながら、ワンテンポ遅れて音声の真似をして発声するトレーニング方法です。
聞こえてくる音声の真似をするために集中して一言一句聞き取ろうとするので、リスニング力が鍛えられます。
またシャドーイングをする前に英文の内容を理解しておくと、より効果的です。
問題を解いた後は、スクリプトをみて知らない単語や聞き取れなかった単語を確認しておきましょう。
パート4の対策テクニック
問題傾向
パート4は、説明文問題です。
アナウンスやナレーションのようなミニトークが放送され、内容に関する問題に答えます。
パート3と同様、設問に図表を含むものが2~3題があります。
1つのミニトークにつき3つの設問があり、設問は全部で30問あります。
また、設問と選択肢は問題用紙に印刷されています。
対策テクニック
パート4におすすめの対策は、パート3と同じくシャドーイングです。
シャドーイングは実際に声に出さなくとも、頭の中で発声しているイメージをしながら行っても効果的だといわれます。
通勤時の電車内でもできるので、忙しい人もできるトレーニング方法です。
パート5の対策テクニック
問題傾向
パート5からはリーディングセクションになります。
パート5は短文穴埋め問題で、不完全な文章のを完成させるために4つの選択肢から正しいものを選びます。
問題数は全部で30問です。
対策テクニック
パート5では、単語の意味や品詞を問うものの他に以下のような文法を問うものがあります。
- 動詞の態
- 代名詞
- 時制
- 接続詞
- 前置詞
- 比較級
いずれも高度な文法項目ではありませんが、知識がないと解けないという問題ばかりです。
パート5の問題を解きながら、理解が浅い文法項目があればしっかりと復習をしましょう。
パート6の対策テクニック
問題傾向
パート6は長文穴埋め問題です。
文章が4題あり、1題の文章につき空所問題が3題、文の章乳問題が1題という構成になっています。
1問につき4つの選択肢があります。
問題数は全部で16問です。
対策テクニック
パート6は文章全体の流れを把握する必要があります。
問題演習をした後は解説を読み、文章のどの部分が解答の根拠になるか、なぜその選択肢が答えになるかを理解できるようにしましょう。
パート6は、パート5と7を合わせたような問題の作りになっています。
よって、パート5と7の学習効果が相乗的に現れるパートです。
パート5と7で点数が取れない人は、パート6よりもパート5と7の勉強を優先させると良いでしょう。
パート7の対策テクニック
問題傾向
パート7は長文読解問題です。
1つの文章を読んで答えるシングルパッセージ問題や、2つの文章を読んで答えるダブルパッセージ問題、3つの文章を読んで答えるトリプルパッセージ問題と3種類あります。
シングルパッセージは10題、ダブルパッセージは2題、トリプルパッセージは3題あります。
1題につき設問が2~5問用意されており、問題数は全部で54問です。
対策テクニック
他のパート同様に、問題演習後に解説を読み込んで単語や答えの根拠などをきちんと確認・理解しましょう。
また、解説で内容理解をした後は音読をしましょう。
一見音読と長文読解は関係ないように思えますが、長文をより正確に早く読めるようになる効果的なトレーニング方法です。
リスニングは問題演習後にシャドーイングやディクテーションを
リーディングは問題演習後に音読が効果的
全パート共通で解説を読んで単語や文法、答えの根拠を確認する
まとめ
ここまでで、TOEICのスコア別に課題と対策方法、パート別の問題傾向と対策方法をご紹介しました。
自分のレベルを把握し、目標のスコアを決めることでより効果的なTOEIC対策ができ、スコアアップを狙えます。
また自分の苦手なパートの具体的な対策方法を知ることで、正答率をあげましょう。
本記事を参考に次のTOEICに向けてレベルアップしましょう。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「TOEIC 対策」に関してよくある質問を集めました。
TOEICのスコア別の課題は?
500点以下の人は英語の基礎、600点台の人は基礎より1つ上の英語力、700点台の人は単語力や読むスピードの向上、800点以上の人はより精度が高い解答スキルが門井といえるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
TOEICの対策方法は?
自分の今のレベルや苦手なパートにあったトレーニングをすることで効果的な対策ができます。初めての受験や初心者はとにかく基礎を抑えることが重要ですが、上級者になるにつれ、全体的な英語力の強化が求められる傾向があります。また、リスニングにはシャドーイングやディクテーションで対策し、リーディングには音読で対策するといったような使い分けが重要です。詳しくはこちらをご覧ください。
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