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更新日 2023.9.13

イギリス英語とアメリカ英語の違いとその理由は?勉強するならどっち?

英語は多くの国で使われている言語ですが、よく耳にするのはイギリス英語・アメリカ英語です。

どちらも同じ英語ではあるのですが、国により違いがあることはご存じでしょうか

本記事ではイギリス英語とアメリカ英語の違いについて紹介していきます。

英語の歴史からイギリス英語とアメリカ英語のスペル・単語・発音・文法などの違い、イギリス英語とアメリカ英語に違いがある理由について解説します。

これから英語を勉強しようと思っている人が気になる、イギリス英語とアメリカ英語のどちらを勉強すればいいのかについてもご紹介しているので、是非参考にしてみてください

この記事のポイント
  • イギリス英語とアメリカ英語の歴史を解説
  • イギリス英語とアメリカ英語の違いを解説
  • イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学習するべきか

イギリス英語とアメリカ英語の歴史

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イギリス英語(ブリティッシュイングリッシュ)とアメリカ英語(アメリカンイングリッシュ)の違いを知るために、まずは英語の歴史について簡単に説明いたします。

3つに分けられる英語の歴史

英語は歴史上で大きく分類すると3つの時期に分けられます。

それぞれの時期の英語について以下で解説していきましょう。

古期英語

現在のイギリスの大部分をなすグレートブリテン島には古来からケルト人と呼ばれるケルト語を話す人々が住んでいました。

ところが4世紀末頃から東方より襲来するフン族に追われる形でゲルマン系民族(アングロ・サクソン人やジュート人など)がグレートブリテン島に流入しその地を支配していきます。

ゲルマン人たちが使っていた言語(低地ドイツ語を含む西ゲルマン語)が英語の元になっており、当初の英語は文法もドイツ語に近いものでした。

その後も9世紀以降にノルド語(ノルウェー語やデンマーク語・スウェーデン語の元となった言語)を話すデーン人の侵入により英語は影響を受け、次第に文法は簡素化していきます。

英語(English)とは「アングル人の言葉」というのが語源で、4世紀末から11世紀前半に形成された英語が古期英語と呼ばれています。

中期英語

1066年にノルマン人(北方系ゲルマン人で現在のフランス北部に定住)のギョーム2世がブリテン島に侵攻しウィリアム1世としてイングランド王国の王となります。

(ノルマン・コンクエスト)

イングランドではノルマン・フランス語を話す民族の支配を受け、上流階級はフランス語系の言語を、庶民階級はゲルマン系の言語を話すという状況になりました。

庶民は飼育するものとして牛を「ox」や「cow」と呼び、貴族は食べるものとして「beaf」と呼びました。

同じものでも呼び名が違うのは、庶民と貴族の認識の違いが現在でも英語に残っているためだと言われています。

11世紀から15世紀頃の英語は中期英語と呼ばれます。

近代英語

中期英語から近代英語への変化をもたらしたのが印刷技術の発達でした。

話し言葉に加えて書き言葉が印刷物の普及により一般化していきました。

印刷技術の発達・普及にともない、各地・各時代にバラバラだったスペルを統一する必要がありました。

当時の印刷業の中心地がロンドンであったため、ロンドンの英語が標準英語成立の基準となったのです。

出版業が活発になるにつれて、足りない語彙を主にフランス語やギリシア語・ラテン語から借用し、文法も整理され18世紀頃までに近代英語が完成していきました。

イギリスからの移民によりアメリカ英語が誕生

18世紀に完成した近代英語でしたが、イギリスからアメリカへの移民が増加する中で、アメリカ英語に変化していきました。

イギリス英語からアメリカ英語への変遷について解説します。

独立戦争とアメリカ英語

17世紀初めよりアメリカにはイギリスから移民が到来します。

移民してきた当初は彼らはイギリス英語を話していましたが、1776年にイギリスからの独立戦争を経てアメリカ英語が成立していきました。

「アメリカ人意識」の芽生え

1812年にはカナダの領有をめぐって米英戦争が起こりました。

アメリカでは反英の気運が高まり「イギリスからの移民」ではなく「アメリカ人」としての意識が強くなっていきます。

アメリカ英語の独立

1828年にアメリカ人はイギリスとは違う独自の英語辞書を作り、アメリカ英語は独自の発展を遂げていくことになるのです。

イギリスからの政治的独立を、言語的な独立によって精神的に支えたのがアメリカ英語成立の背景ではないでしょうか。

POINT

英語は多くの言語から影響を受けて成立した

英語にはフランス語からの借用語が多い

アメリカ英語はイギリス英語から独自発展した

イギリス英語とアメリカ英語は何が違う?

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イギリス英語とアメリカ英語に違いがあることはよく知られていますが、具体的な違いはどのようなものでしょうか。

英米の英語の違いを見ていきましょう

スペル(綴り)の違い

イギリス英語とアメリカ英語では単語のスペルが違う場合があります。

細かい違いですが気づいたことがある人は多いかもしれません。

スペルの違いの例

英米のスペルの違いは主に単語の語尾で見られます。

スペルの違いには一定の法則があるものの多いので、覚えておくと便利です。

  • (英)re ➡ (米)er
  • (英)our ➡ (米)or
  • (英)se ➡ (米)ze
  • (英)ce ➡ (米)se
  • (英)ogue ➡ (米)og
  • (英)ae/oe ➡ (米)e

代表的な違いを以下に示します。

イギリス英語 アメリカ英語 意味
centre center 中心、中心地
colour color 色、色彩
organise organize 組織する、体系化する
analyse analyze 分析する
licence license 免許
dialogue dialog 対話
manoeuvre maneuver 策略

単語の違い

イギリス英語とアメリカ英語で使う単語が異なる場合もあります。

代表的な例は以下の通りです。

意味 イギリス英語 アメリカ英語
アパート flat apart
autumn fall
郵便 post mail
サッカー football soccer
携帯電話 mobile phone cell phone

発音の違い

発音についてもイギリス英語とアメリカ英語には特徴的な違いがあります。

両者の発音の違いについて解説します。

Tの発音の違い

Tという音の発音ですが、イギリス英語では割とはっきりと聞こえる発音をしますがアメリカ英語でははっきりと発音せずにDやRに近い発音に聞こえます。

例としてwaterの発音はイギリス英語では「ウォーター」というように聞こえ、アメリカ英語では「ワーラー」に近い発音になります。

単語 イギリス英語 アメリカ英語
better ベター ベラー
letter レター レラー

Rの発音の違い

イギリス英語(オーストラリアやニュージーランドの英語も含む)ではRの音を発音しない場合がありますがアメリカ英語では舌を巻いたような発音をします。

この点、イギリス英語の方が日本人にとっては話しやすいでしょう。

イギリス単語では母音の後にRがあり子音が続くパターンの場合のRは発音しません。

例えば「公園」や「駐車する」という意味の「park」です。

アメリカ英語ではRを巻き舌で「パーるク」のように発音しますがイギリス英語ではRは消えて「パーク」と発音します。

単語 イギリス英語 アメリカ英語
car カー カール
store ストー ストアー

Aの発音の違い

Aの発音にも英米の英語で発音の違いがあり、イギリス英語ではAは日本語の「ア」に近い発音をしますがアメリカ英語では「ぁエ」のように「ア」と「エ」の中間のような音になります。

分かりやすい例は「tomato」でイギリス英語では「トマート」、アメリカ英語では「トメィト」のように発音します。

単語 イギリス英語 アメリカ英語
half ハーフ ヘーフ
bath バース ベス

文法の違い

好んで使われる文法にも英米の違いが見られます。

両者の文法的な違いについて見てみましょう。

イギリス英語は「have」をよく使う

汎用性の高い英単語として「have」や「take」がありますが、イギリスでは「have」をアメリカでは「take」を好んで使います。

「休憩する」という意味でイギリス英語では「have a break」と言いますが、アメリカ英語では「take a break」を使います。

他にも「風呂に入る」はイギリス英語で「have a bath」アメリカ英語では「take a bath」です。

アメリカ英語は過去形をよく使う

私たち日本人は学校の英語の授業で「現在完了形」を習いますが苦手だった方も多いのではないでしょうか。

「現在完了形」は主に過去に起こったことが現在にまで影響を及ぼしている場合に使います

例えば「私は腕時計を失くした」という場合です。

時計を失くしたのは過去なのですが現在までなくなった状態が続いているので「I have lost my watch.」と表現します。

しかしアメリカ英語では好んで過去形を使うことが多いのです。

したがって腕時計を失くした場合に「I lost my watch.」と過去形で表現することが多いということです。

裏を返すとイギリス英語は現在完了形を好むとも言えそうです。

どちらかと言うと日本人には過去形を使う方がわかりやすいかも知れませんね。

その他

同じ「英語」とはいえ、英米の英語表現には他にも様々な違いがあります。

もう少し細かい違いについて見ていきましょう。

時間表現の違い

例えば英語で「9時45分」と言いたい場合に、私たちは学校で習ったアメリカ英語を参考にして「nine forty-five」と言います。

しかしイギリス英語では通常「9時45分」は「quarter to ten」となります。

「10時まで4分の1時間」ということです。

「11時10分」という場合はイギリス英語では「ten past eleven」となり「11時を10分過ぎた」と表現するわけです。

イギリス英語はなじみのない表現方法ですので、知っておかないと時間を言われてもとっさには分からないかも知れません。

時間 イギリス英語 アメリカ英語
30分 half an hour thirty minutes
90分 twenty past three three twenty
8時30分 half past eight eight thirty
12時45分 quarter to one twelve forty-five

建物の階の数え方の違い

意外なことに建物の階の数え方にもイギリス英語とアメリカ英語の間には違いがあります。

アメリカ英語では日本と同じように建物の1階を「first floor」、2階は「second floor」と表現しますがイギリス英語では1階は「ground floor」です。

ではイギリス英語で2階はなんと言うのでしょうか。

正解は「first floor」です。

知らないと絶対に混乱してしまうでしょう。

POINT

イギリス英語とアメリカ英語では表現や発音に違いがある

日本人は学校でアメリカ英語を勉強している

イギリス英語独特の表現を知っておくことが大切

イギリス英語とアメリカ英語が違う理由

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イギリス英語とアメリカ英語が違う理由にはイギリスとアメリカの歴史が関係しています。

両国の歴史と英語表現の違いについて解説します。

イギリス英語はフランス語の影響を受けている

先述した中世の「ノルマン・コンクエスト」においてイギリスはノルマン人のギョーム2世に支配されました。

ノルマン人はフランス語を母語とする民族だったので、当時のイングランドはフランス語の影響を強く受けたのです。

以降もフランス語の文化の影響から借用語を多く採用していったという背景から、イギリス英語はフランス語の影響を今もなお色濃く反映しています。

1700年代にフレンチスタイルが流行る

1700年代になるとヨーロッパのファッションの中心地となったパリが流行の発信地となりました。

ファッションが貴族の社会的地位のアピールになっていたこともあり、宮廷のファッションを伝える出版物が盛んに出ていた時代です。

イギリスでもフランス宮廷風の流行が起き、フレンチスタイルの話し方単語のスペリングが流行しました。

一方アメリカは地理的に遠く離れていたので、フレンチスタイルの影響を受けず英米の英語のスタイルに差が生じたという一面があります。

イギリスとアメリカの辞書は観点が異なる著者が編集している

言葉を定義づけるものとして「辞書」は非常に大きな割合を占めています。

イギリスとアメリカの英語にも辞書と著者の観点の違いが反映されているのです。

イギリス英語のスペルと差をつける

独立当初のアメリカに、イギリスからの精神的独立を目指した辞書編纂者のノア・ウェブスターがいました。

ウェブスターは単語のスペルをイギリス英語と違ったものにすることで、言語の面でもアメリカの独立を表現したかったのだと考えられます。

POINT

イギリス英語にはフランス語の影響が強く残る

アメリカにはフランス語の影響が少なかった

アメリカはイギリスとは違う英語を意図して作った

イギリス英語・アメリカ英語どっちを勉強する?

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これから英語を勉強したいと考えた時にイギリス英語とアメリカ英語のどちらを選べば良いのでしょうか。

英語学習のモチベーションを左右しかねない話です

イギリス英語の勉強がおすすめな人

アメリカ英語よりもイギリス英語の勉強がおすすめな人とはどういう人なのでしょうか。

英語にこだわりがある人

正統派の英語を学びたいというこだわりがある人はイギリス英語を勉強するのが良いです。

政治家の麻生太郎さんの以下のようなエピソードがあります。

アメリカ留学中の麻生さんと会った祖父の吉田茂さんは、孫のアメリカ英語に驚き、本場の英語に矯正させるためにイギリスに留学をさせる手配をしたという話です。

「英語はイギリス」という思いがある人はイギリス英語を勉強するべきでしょう。

国際的な場所で活躍したい人

学校教育で日本ではアメリカ英語を教えていますが、ヨーロッパ諸国ではイギリス英語を使用します。

国際会議の場などで使われるのもイギリス英語です。

将来国際的な場所で活躍することを望んでいる方や、世界で一目置かれるような格式ある英語を身につけたいという方はイギリス英語を勉強することをおすすめします。

イギリス英語が使われている国の人とのコミュニケーションが必要な人

イギリス英語を使用している国に留学したり、そのような国の方とビジネス関係にある方は、イギリス英語を学ぶべきです。

以下はイギリス英語が使われている国の一部です。

  • イギリス
  • オーストラリア
  • インド
  • ニュージーランド
  • シンガポール

ご覧の通り、イギリスの植民地だった国が中心です。

アメリカ英語の勉強がおすすめな人

アメリカ英語の勉強をした方が良いのはどのような人でしょうか。

とにかく英語を話せるようになりたい人

多民族国家のアメリカで生まれたアメリカ英語は、様々な国籍の人々が話しやすいように、時代とともに簡略化されていき、現在の形になりました。

そのため、イギリス英語よりもカジュアルな英語が特徴です。

英語として正統だとか格式が高いとかそんなことには興味がないという人は、迷わずアメリカ英語を勉強しましょう。

日本の学校教育で教えているのはアメリカ英語ですし、ビジネスや海外旅行などでコミュニケーションをとることが目的であればアメリカ英語は必要十分です。

特に理由がないのであれば日本人が勉強するのはアメリカ英語で間違いないのではないでしょうか。

アメリカ英語が使われている国の人とのコミュニケーションが必要な人

今後、アメリカ英語を公用語とする国とビジネス上の取引を行う方や、留学を控えている方はアメリカ英語がおすすめです。

アメリカ英語を使用している国は以下の通りです。

  • アメリカ
  • カナダ
  • フィリピン
  • プエルトリコ
  • リベリア

南北アメリカ大陸やアメリカの植民地など、アメリカ文化の影響を大きく受けた国が中心です。

POINT

強いこだわりがあるならイギリス英語

コミュニケーション目的ならアメリカ英語

自分の学習モチベーションが上がる方を選ぶ

まとめ

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ここまでお読みいただきありがとうございます。

  • イギリス英語とアメリカ英語の歴史
  • イギリス英語とアメリカ英語は何が違うか
  • イギリス英語とアメリカ英語が違う理由
  • イギリス英語・アメリカ英語どちらを勉強するか

以上の内容を解説してきました。

似たようなものだと思われがちなイギリス英語とアメリカ英語の違いについて少しでも理解を深めていただければ幸いです。

かっこいいからイギリス英語を勉強しようと思う方がいるかも知れません。

勉強しやすいからアメリカ英語を選ぶ方もいるでしょう。

どちらも正しいです。

少しでも英語に興味を持てたならそこが英語学習の始まりです。

今日から英語の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「イギリス英語 アメリカ英語」に関してよくある質問を集めました。

イギリス英語とアメリカ英語の違いは?

単語の発音の仕方や好まれる文法・使用されている地域など多くの違いがあります。現在の英語が成立したのは中世のイギリスですが、その後のアメリカ移民とともに両者は別々の変化をして現在に至りました。英語の勉強をする時には英米の英語の違いについても意識するべきです

イギリス英語・アメリカ英語どっちを勉強する?

自分の学習目的に合わせて考えます。日本ではアメリカ英語の教育を行っており学習者の数ではアメリカ英語の方が多いですが、世界的に教育の場ではイギリス英語が多く採用されています。世界標準の英語を身につけたければイギリス英語を、とにかく英語を話せることを目的とするなら既に教育を受けているアメリカ英語を勉強すると良いでしょう

この記事を企画・執筆した人
-EnglishSearch編集部-
この記事は、EnglishSearchを運営している株式会社デジタルトレンズのEnglishSearch編集部が企画・執筆した記事です。
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