英語の関係代名詞とは?名詞を修飾する文法について例文とともに徹底解説
名詞を美しく飾る(つまり、修飾する)には形容詞を使います。
例えば、「girl」という名詞に「pretty」という形容詞をつけることで、「かわいらしい女の子」という意味になり、どのような女の子であるのかをより鮮明に表すことができるというわけです。
ただし、「かわいい」「かっこいい」などの形容詞だけでは表現力が乏しいです。
さらに細かく、その名詞がどのようなものであるか、どのような特性を持っているのかを表したい場合もあります。
そのようなときに使うのが関係代名詞です。
本記事では、名詞をより詳しく表すための関係代名詞について解説していきます。
関係代名詞とは?
名詞を修飾する方法として、最も簡単なのが形容詞を使うことです。
「美しい」「忙しい」「新しい」「古い」「高い」「低い」などその種類はたくさんあります。
ただ、どんなにたくさんあったとしても、形容詞だけでは、その名詞が持つ特性を表現することができない場合もあります。
本記事でこれから学んでいく関係代名詞は、名詞を文で修飾するために用いる表現です。
例えば、「英語を話す女の子」という英文を作りたい場合、やはり形容詞だけで作るのは難しいです。
なぜなら「英語を話す」というのは「文」であり、形容詞ひとつで表現することはできないからです。
そうした表現は関係代名詞を使えば可能となります。
what
whatという単語は「何」を意味する疑問詞で使われることが多いですが、「関係代名詞のwhat」と呼ばれる使い方もあります。
例として以下の英文について考えてみます。
一見すると、「know」という動詞の後に「what」が来て、よくわからない構文となっているように感じます。
では、「what he ate this morining」の部分をひとつの名詞として考えるとどうでしょうか。
「S+V+O」(主語+動詞+目的語)の第3文型の形となり、自然な構文となります。
ここで使用している「what」が関係代名詞のwhatであり、「~のもの[こと]」のように訳します。
そのように考えると上記例文は、「わたしは彼が今朝食べたモノを知らない」という風に訳せるというわけです。
which
「関係代名詞」は、前に出てきた名詞と、それを説明するための文をつなぐ役割をします。
上記例文では、「The dog」という名詞に「which is running in the park」という説明を加えて、「公園を走っている犬」となり、この文が主語となります。
つまり、この英文は「公園を走っている犬はムギです」と訳します。
that
関係代名詞で使用する「which」は「that」に置き換えることができます。
例えば、前述の例文を以下のように「which」の代わりに「that」を使うこともできます。
関係代名詞は、名詞を文で修飾するために用いる表現
関係代名詞は、前に出てきた名詞(先行詞)と、それを説明する文をつなぐ
関係代名詞として「what」「which」「that」などがある
関係代名詞の使い方
ここまでに関係代名詞を使った例文についていくつか見てきましたが、関係代名詞の使い方について、改めて考えてみましょう。
説明したい名詞を前にする
関係代名詞を使えば文で名詞を修飾することができるということでした。
関係代名詞で修飾したい名詞(先行詞)は、関係代名詞の前に記述します。
先行詞の後ろに関係代名詞を持ってくる
先行詞とは、関係代名詞によって修飾される名詞のことです。
また、関係代名詞とは、前述の「what」や「which」「that」などのことです。
先行詞の後ろに関係代名詞を記述し、その先行詞(名詞)を修飾する形となります。
関係代名詞の後ろに先行詞以外を置く
関係代名詞の後ろに、先行詞以外を置くことが重要なポイントです。
どういうことか、先ほど例文を使って考えてみます。
関係代名詞である「which」は先行詞である「The dog」の後ろに置くというのはそのままです。
ただ、「which」の後ろに「is」という動詞が置かれています。
一見、英語の基本文型から外れるおかしな文法に見えるのではないでしょうか。
さて、この文ですが、以下の2つの文をくっつけた形と考えることができます。
関係代名詞の「代名詞」とは、そのままの意味で名詞の代わりと捉えます。
つまり、2つ目の文の主語となっている「The dog」が「which」に置き換わっているということです。
もし、修飾する文をそのまま記述してしまうと、以下のように「The dog」が2回続けて出現することになります。
これは変です。
それならばと「which」の後ろにもう一度「The dog」という先行詞を置いてみたらどうでしょうか。
これもやはり変です。
単純に「The dog」を「which」に置き換える、つまり、関係代名詞の後ろに先行詞以外を置くことで無駄のない自然な文となります。
先行詞とは、関係代名詞によって修飾される名詞のこと
関係代名詞で修飾したい名詞(先行詞)は、関係代名詞の前に記述する
関係代名詞の後ろには先行詞以外を記述する
関係代名詞の例文
関係代名詞を使った例文をもうひとつ考えてみましょう。
「わたしは彼が正直だということを知っている」と訳せます。
さて、関係代名詞は先行詞となる名詞を修飾するものであると説明しましたが、上記例文では、先行詞らしきものが見当たりません。
先行詞がないのであれば、いったい何を修飾しているのでしょうか。
それを考える上で、関係代名詞は形容詞のように名詞を修飾するだけでなく、「名詞節」ともなるという点をおさえておく必要があります。
つまり、「that he is honest」で「彼が正直だということ」という名詞節となります。
これによって、「S+V+O」(主語+動詞+目的語)の第3文型となり、「わたしは彼が正直だということを知っている」と訳すことができるというわけです。
文法的な説明をすると上記例文は「that節が目的語となる形」と捉えるということです。
関係代名詞は省略できる?
英語には、省略できるものは省略するという基本的な考え方があります。
関係代名詞も省略することができます。
ただし、省略できないケースというのもあるため、注意しなければならないところでもあります。
関係代名詞は文中や会話の中で省略されることが多いので、どのようなケースで省略できて、できないのかをおさえておきましょう。
省略できるケース
省略できるケースの大前提として、基本的に「目的格」の関係代名詞が省略可能です。
目的格とは、修飾する文の中で、修飾される名詞が「目的語の位置」にあるもののことです。
日本語に訳したときに、「その人を」や「その人に」といったように「を」や「に」となるのが目的格になります。
ただし、その覚え方だと混乱のもとになることがあるので、次のように考えるようにしましょう。
例として以下の英文を考えてみます。
「わたしが購入した車はとても良い感じです」という訳になります。
この英文を2つの文に分解することで、目的格かどうかがはっきりします。
まず、ひとつめの修飾する文は以下になります。
「the car」が目的語の位置に入っているのがわかります。
修飾される文を除外した文が以下です。
「The car」が修飾される名詞となり、その名詞が目的語の位置にあるため、以下のように関係代名詞である「which」を省略することができます。
省略できないケース
省略できないケースは、「主格」や「所有格」の関係代名詞を使う場合です。
主格とは、修飾する文の中で、修飾される名詞が「主語の位置」にあるもののことです。
この英文についても2つの文に分解することで、主格かどうかがはっきりします。
この例では、修飾される名詞である「The dog」が修飾される文の中で、「主語の位置」にあります。
このケースでは「which」を省略することはできません。
関係代名詞は省略できるケースとできないケースがある
「目的格」の関係代名詞が省略可能
「主格」や「所有格」の関係代名詞は省略できない
複合関係代名詞とは?
複合関係代名詞とは、先行詞と関係代名詞が一緒になった(複合した)関係代名詞のことです。
具体的には、「who」「what」「which」に「ever」がくっついた、「whoever」「whichever」「whatever」の3語あり、それぞれ「~は誰でも」「~は何でも」「~はどちらでも」というように訳すことができます。
whoeverを使った複合関係代名詞の例をひとつ示します。
「来る人は全員歓迎します。
」というように、「来る人全員」という名詞節を作ることができます。
先行詞が存在していない点にも着目してください。
複合関係代名詞とは、先行詞と関係代名詞が一緒になった関係代名詞のこと
「whoever」「whichever」「whatever」の3語ある
それぞれ「~は誰でも」「~は何でも」「~はどちらでも」と訳す
まとめ
関係代名詞は、文で名詞を修飾することができる便利な表現方法です。
名詞について「文」で細かく説明することができるため、関係代名詞を使うことで一気に表現の幅が広がります。
あまりにややこしくなる表現は好まれませんが、関係代名詞は、「これからこの名詞について詳しく説明する」という合図とも言えます。
名詞によって使用する関係代名詞が異なったりして覚えるところも多く、はじめのうちはなかなか馴染むのが難しいかもしれませんが、慣れてくるとさまざまな表現ができるようになるため、ぜひ使ってみてください。
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