2022年9月現在において、社会のグローバル化が急速に進んでおり、英語でのコミュニケーション能力が重要になってきています。
そのため、英語力の指標となるTOEIC® L&Rを受ける方も増えており、TOEICのスコアがキャリアに大きな影響を与える要件の一つとして捉えられています。
これからTOEICのスコアを上げたいものの、初学者で英語のスキルが低いことで悩んでいる方は、難易度が低いといわれているTOEIC Bridgeを受けることを推奨します。
本記事では、TOEIC Bridgeの出題形式や難易度について紹介するとともに、高いスコアを出すためにどのようなことをするべきかを網羅的に解説します。
これから英語学習を始めようと考えている方や、英語スキルを身につけてキャリアアップを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
TOEIC Bridgeとは何かを理解するために、下記の5点について理解することが大切です。
それぞれ順番に解説します。
TOEIC Bridgeの出題形式は、リスニング&リーディングとスピーキング&ライティングの2つです。
それぞれの時間配分と設問数は下記になります。
リスニング&リーディングはすべてマークシート形式の出題であり、英文和訳や和文英訳といった難易度の高い問題は出題されません。
語句の穴埋め問題や、適切な文章を選択する問題が出題されます。
スピーキング&ライティングは、短文の音読問題や記述問題が出題されます。
問題に使用される題材は、日常生活における会話といった身近なものが多いため、難解な英単語も出てきません。
基礎的な英語力を試す問題が、出題されると考えると良いでしょう。
TOEIC Bridgeにおけるスコアは、すべて出題形式において1点刻みで評価されます。
それぞれの出題形式におけるスコアの範囲は下記の通りです。
リスニング&リーディングでの平均スコアは、100点満点で68点程度だと公表されており、65点で中学校卒業程度とされています。
英語の初学者は65点以上の点数を目指すことを推奨します。
なお、英語の日常会話の大半は日本の義務教育の範囲内での英語で対応できるとされており、65点以上のスコアが取れた場合、一定の日常会話レベルの英語力は身についているでしょう。
TOEIC Bridgeの受講費用は、リスニング&リーディングが4,950円、スピーキング&ライティングは9,350円です。
スピーキング&ライティング試験の場合、申込期間が過ぎてからの追加申込期間での受講費用が12,100円です。
TOEIC L&Rでは、リスニング&リーディングの受験費用が7,810円であることを考えると、TOEIC L&Rよりも若干割安で受験できることが分かります。
また、試験日や時間の変更をする場合は、変更手数料として2,750円かかるため、日程や時間は慎重に選びましょう。
TOEIC Bridgeの受講日程は、リスニング&リーディングとスピーキング&ライティングで異なります。
リスニング&リーディングは年に4回、全国の13都市で開催されています。
受講できる頻度は低いですが、受験会場が多く、様々な地域で受験しやすい点が特徴的です。
スピーキング&ライティングは、毎週日曜日に東京都と大阪府で開催されます。
リスニング&リーディングと異なり、東京都と大阪府でしか受講できないため、他の都道府県に住んでいる方は、受講するために移動が必要です。
先述したように、試験日や時間を変更すると追加費用もかかってしまうため、余裕を持って日時選択を行うようにしましょう。
TOEIC Bridgeの受講者数も、リスニング&リーディングとスピーキング&ライティングで異なります。
直近である2021年に行われたTOEIC Bridgeでのリスニング&リーディングの受講者は140,700人、スピーキング&ライティングが3,300人でした。
全国13都市で受講できるリスニング&リーディングの方が、受講者は多い傾向にあります。
TOEIC L&Rの場合、リスニング&リーディングで200万人超、スピーキング&ライティングで34,900人いることから、TOEIC Bridgeはまだまだ受検者数が少ないことが見て取れます。
しかし、受講者が少ないからと言って受験する意義が少ないわけではなく、TOEIC Bridgeは日常生活での英語技能を示すものとして、正式に評価を得られるものであるため、心配せずに受験しましょう。
TOEIC Bridgeの出題形式には2種類ある
TOEIC Bridgeは、全ての出題形式において1点刻みで評価
TOEIC Bridgeの受講者数はリスニング&リーディングの方が多い
TOEIC Bridge | TOEIC® L&R | |
---|---|---|
測定する能力 | 初級者のリスニング・リーディング能力 | リスニング・リーディング能力 |
問題数 | 100問 | 200問 |
出題範囲 | 日常生活 | 日常生活・ビジネス |
テスト結果 | 30〜100点(1点刻み) | 10〜990点(5点刻み) |
受験料 | 4,950円(税込) | 7,810円(税込) |
TOEIC Bridgeは、最も受講者数が多いTOEIC® L&Rと比べていくつかの違いがあります。
先述したように、主な違いとして難易度と出題形式、スコア、受講日程が挙げられます。
TOEIC Bridgeは、TOEIC® L&Rよりも試験の難易度が低いです。
TOEIC® L&Rではビジネスレベルの英語力を要求されるものの、TOEIC Bridgeは日常会話レベルの英語力で対応できます。
出題される英単語においても、TOEIC® L&Rではビジネスレベルの英単語が出る上に、ビジネス用語としての英語を覚える必要もあります。
その一方で、TOEIC Bridgeは主に中学校レベルの英単語が出題されるため、比較的難易度が低く、専門的な英単語なども出てきません。
出題形式は、TOEIC® L&RではTOEIC Bridgeの2倍となる200問のため、より高い集中力が必要です。
TOEIC® L&RのスコアもTOEIC Bridgeとは大きく異なっており、5点刻みのスコアで評価されます。
スコアの範囲が10点から990点と非常に大きいため、スコア分布の差が出やすく、一つのミスで大きなスコアダウンを招いてしまうことも特徴です。
受講日程もTOEIC Bridgeとは異なっており、47都道府県で毎月1回程受講できます。
TOEIC Bridgeよりも開催頻度が高いので、年に複数回の受講がしやすく、数ヶ月に1回の単位で頻繁に受験する方も見られます。
TOEIC® L&Rはビジネスレベルの英語力が要求される
TOEIC® L&Rは5点刻みのスコアで評価される
TOEIC® L&Rは47都道府県で毎月1回程受講できる
TOEIC Bridgeを受験することのメリットは、下記の通りです。
それぞれ順番に解説します。
1つ目のメリットは、TOEIC® L&Rを受講する際に経験や知識が活きることです。
TOEIC Bridgeで出題される英単語や英文法は、基礎レベルのものが多いため、英語力の土台を作れます。
当然ながら、基礎が確立されていなければ、より難易度の高いTOEIC® L&Rに対応できないため、基礎を見直すためにもTOEIC Bridgeを受講することはおすすめです。
また、TOEIC Bridgeは設問数が少ないため、TOEIC® L&Rを受講する前にTOEICの出題形式に慣れることが可能です。
出題レベルや設問数は異なるものの、出題形式はTOEIC® L&Rと大きく変わらないため、実践的な経験を積めるでしょう。
2つ目のメリットとして、TOEIC Bridgeは初心者でも受験できることが挙げられます。
TOEIC Bridgeで出題される設問は、中学校レベルのものが多く、英語初心者や現役の中高学生でも対応できます。
いきなりTOEIC® L&Rを受験するのは不安だという方にとっては、練習の場として使えます。
また、TOEIC® L&Rは受験料が高く、英語初心者の方が受験するハードルが高く感じられたり、ハイスコアを出せる可能性が低い場合、もったいなく感じてしまったりすることも多いでしょう。
このような場合は、TOEIC® L&Rを受験するのではなく、ハードルの低いTOEIC Bridgeの受験を推奨します。
特に英語初心者の方は、TOEIC Bridgeで場数を踏んでから、TOEIC® L&Rを受験してみましょう。
TOEIC® L&Rを受講する際に経験や知識が活きる
TOEIC Bridgeでは英語の基礎を見直せられる
TOEIC Bridgeは初心者でも受験できる
TOEIC Bridgeで高いスコアを出すためには、下記の3点に取り組むことが大切です。
それぞれ順番に解説します。
TOEIC Bridgeに合格するためには、単語と基礎文法を学ぶことがポイントです。
TOEIC Bridgeの難易度は低いですが、基礎的な英単語の意味や用法が分かっていなければ問題が解けません。
ビジネスレベルで活用される難解な英単語は出題されないものの、中学校レベルの英単語は勉強しておくべきです。
英単語を知っていれば、長文や会話文のニュアンスやシーンを掴めるため、真っ先に学ぶことをおすすめします。
また、基礎文法も英単語と同時に学んでおくべき重要なポイントです。
英単語を知っていても、文法の知識が無いと読み解けない文章が出題されます。
文法における知識の差によって、試験のスコアにも差が生まれるため、特に中学修了時で学び終えている文法については完璧に理解しておくことが望ましいです。
中学校レベルの基礎文法をマスターしていれば十分に対応できるため、文法の参考書等で学んでおきましょう。
過去問を学ぶことも、TOEIC Bridgeでハイスコアを出すための重要なポイントです。
TOEIC Bridgeの出題形式は毎回同じであり、出題されるレベルもあまり変わりません。
そのため、事前に過去問を解いておくことで、出題形式やレベルに慣れられる上に、設問を解く際に、どの程度の時間配分で解くべきかを知ることが可能です。
また、過去問を解くことで自身の現在における英語力や弱点等も発見できるため、受講前に数年分の過去問を解いておくことが重要です。
過去問を解いた上で自身の苦手な部分を把握しつつ、その苦手箇所を穴埋めする形で学習すると良いでしょう。
おすすめの勉強法として、オンライン英会話を活用する方法を紹介します。
TOEIC Bridgeでは、リスニング問題が50問出題されます。
リスニング問題は設問全体の中でも非常に大きなウェイトを占めているので、ハイスコアを出すためにはリスニングで十分な点数を取ることが必要不可欠です。
しかし、リスニング対策は独学では難しく、実際に会話をしたり、積極的に日常会話の英語を学んだりしなければ対策が困難です。
このような機会を意図的に作るためにも、オンライン英会話の受講をおすすめします。
オンライン英会話では、自身のレベルに合ったコースを受講できるため、効率的にリスニング力を上げられます。
また、リスニングだけでなく、総合的な英語力も身につくため、将来的に英語を使用するときにも学んだことを活かせるでしょう。
中学校レベルの英単語と基礎文法を学ぼう
過去問で学びつつ、問題に慣れておくことが大切
オンライン英会話を活用してリスニング力を身につけよう
本記事では、TOEIC Bridgeの難易度や出題形式、高いスコアを出すためのおすすめの勉強法等を紹介してきました。
TOEIC BridgeはTOEIC® L&Rとは違って、受講難易度が低く、日常会話をベースとした出題が行われます。
TOEIC Bridgeは、英語が苦手な方でもハイスコアを目標にして、英語の勉強に取り組める試験です。
TOEIC Bridgeを受講することで、自身の現在の英語力を確認できる上に、自分の英語運用能力の中で、どのような点が欠けているのかを把握できるため、力試しの感覚で受験するもの良いでしょう。
さらに、英語力が必要な社会である現在において、TOEICは就職活動においても使える英語力の指標です。
TOEICのスコアがキャリアに大きな影響を与えることも少なくないため、キャリアアップを目指している方は、TOEIC対策を十分に行う価値はあるといえるでしょう。
まずは、TOEIC Bridgeを受講して経験を積み、慣れてきた段階でTOEIC® L&Rに挑戦してみましょう。
「TOEIC Bridge」に関してよくある質問を集めました。
TOEIC Bridgeの難易度は、TOEIC® L&Rより低いです。中学校レベルの英単語や基礎文法を身につけることで、十分に対応できます。設問数も少ないため、TOEIC® L&Rを受講する前の練習になります。英語初心者の方でも安心して受講できる難易度のため、心が折れる心配はありません。
TOEIC Bridgeに合格するためには、中学校レベルの英単語や基礎文法をマスターすることが重要です。出題形式やレベルは毎回同じのため、試験を受講する前に過去問を解いておくこともおすすめします。また、リスニング対策は独学だと難しいので、オンライン英会話を活用してリスニング力を上げましょう。