動名詞といえば英文で使いますが、名前を聞いていても何なのか理解できていないこともあります。
また、動名詞は現在分詞と同じように考えることもありますが、実際には違うため理解することが大事です。
この記事では動名詞の種類と使い方、知っておくべきことを解説し、初心者でも分かりやすくそれぞれのケースを例文とともに検証していきます。
英語試験で苦手にならないようにするためにはこの記事を参考に、それぞれのポイントをおさえると良いでしょう。
動名詞は「文の性質を持った名詞」を意味し、名詞でありながら文の特徴を持っています。
また、使われる場所は主語や目的語などの位置になり、動名詞の品詞は名詞です。
例文を挙げて説明すると以下のようになり、文章を分解して考えると良いかもしれません。
「Writing is a process of discovery.」の場合は、和訳すると「書くことは発見のプロセスです。」になります。
この場合は文頭の「Writing」が動名詞にあたり、「(私、あなた)が【書くこと】」と「【書くこと】は発見のプロセス」と「名詞」であっても「文」のような意味に解釈できます。
また、「動名詞」の「Writing」が主語になり、「is」が述語動詞となっています。
動名詞は名詞でありながら文の性質を持っている
動名詞が使われる場所は主語や目的語の位置になる
動名詞は訳すと文章として成り立つ文の内容になる
動名詞が使われる場所は4つあり、主語、補語、目的語、前置詞の目的語になります。
使い方は例文を使って解説すると分かりやすくなるため、それぞれのケースを見ていきましょう。
~動名詞が「主語」になる場合の例文~
まずは「主語」として使う方法で、2つの例文を使って解説します。
最初に「Skiing is a sport with fun and adventure.」ですが、和訳すると「スキーは楽しさと冒険心を伴うスポーツです」になります。
この文の場合は文頭にある「Skiing」が主語になり、「スキー」と「スキーすること」を表しています。
次に、「Thank you Jack. It was a pleasure meeting you.」は、和訳して「ジャック、ありがとう。君に会えたことは大変嬉しかったよ。」になります。
この場合は、形式主語である「It」を使い、動名詞の「meeting you」を後ろに置いています。
「meeting you」は「会えたこと」と「君に会うこと」の両方の意味で解釈できます。
~動名詞が「補語」になる場合の例文~
次に、「主語補語」の場合ですが、文章構成の「SVC」のなかの「C」に該当します。
「My main job was selling cars.」を例にすると、「selling cars」が補語です。
文章の意味は「私の主な仕事は車を売ることだった」になり、「車を売ること」の部分が動詞と名詞を兼ねています。
しかし、「selling cars」の部分が進行形になるため、「車を売っていた」と誤解されると意味が通じなくなるため注意が必要です。
~動名詞が「目的語」を取る場合の例文~
次に、動名詞が「目的語」を取る場合は以下のような例文になり、それぞれのポイントを解説します。
「Dr.Ito just finished writing a book.」の動名詞は、目的語の「writing a book」の部分になります。
この文章を訳すると「伊藤博士は本の執筆をちょうど終えた」です。
動詞は「finished」になり、その後ろにおいて「本を執筆する」と「本の執筆」の両方の意味を持っています。
~動名詞が「前置詞の目的語」を取る場合の例文~
最後に「前置詞の目的語」になりますが、以下の例文を参考に部分ごとに解説します。
例文の「I am interested in learning more about economics.」は、和訳すると「私は経済学についてより多く学ぶことに興味を持っている」になります。
前置詞は「in」になり、目的語は「learning more about economics.」です。
目的語の部分は「経済学を多く学ぶ」と「より多くの経済学を学ぶこと」と「動詞」と「名詞」の働きがあります。
前置詞は他にも「at」「on」などがあり、その直後には名詞または代名詞が使われます。
動名詞を否定するときは「learning」の前に「not」をつけ、別の場所と間違えないようにすることが大事です。
動名詞が使われる場所は主語、補語、目的語、前置詞の目的語と4つある
動名詞は動詞と名詞の役割を兼用し文脈で判断する
動名詞を否定するときは前にnotをつける
ここからは、「動名詞」と「不定詞」の違いについて解説していきます。
動名詞と不定詞は意味が似ていて間違いやすいため、しっかりと確認をして間違えないようにしましょう。
動名詞と不定詞はどちらも「~すること」という和訳になりますが、ニュアンスが異なります。
基本的に「動名詞」は過去を表し、to不定詞は未来を表します。
実際に、例文とともにニュアンスの違いを見ていきましょう。
「過去」を表す動名詞の例文
"I gave up studying math."
(私は、数学の勉強をすることを諦めました)
このように、動名詞は過去のニュアンスを表す際に用います。
主節の部分である動詞の前に行われたと思われることを表す際には、動名詞を用いて表現するようにしましょう。
「未来」を表すto不定詞の例文
"I wanted to go abroad."
(私は、海外に行ってみたい)
このように、to不定詞は未来のニュアンスを表す際に用います。
例文を見てみると、「海外へ行く」には過去のことではなくこれから行われる可能性のあることのため、未来を表していることが分かります。
動名詞とto不定詞は和約は同じですが、ニュアンスが異なるということをしっかりと覚えておきましょう。
動名詞とto不定詞は、基本的にどちらも目的語を取ります。
しかし、動詞によって「動名詞」と「to不定詞」のどちらかにしか目的語を置けない場合やどちらを目的語に取るかによって意味が異なる場合などがあります。
ここでは、動名詞のみを目的語にとる動詞を紹介していきます。
~動名詞のみを目的語にとる動詞の例~
動名詞のみを目的語に取る動詞の例は上記の通りです。
この他にも、動名詞を目的語に取る動詞は多くあるため、単語帳などで勉強するようにしましょう。
次に、「to不定詞」のみを目的語にとる動詞の例を紹介していきます。
~「to不定詞」のみを目的語にとる動詞の例~
to不定詞のみを目的語にとる動詞は、基本的に未来のニュアンスものが多い傾向にあります。
decide(決める)やwant(~したい)などは、これからすることを表しているため分かりやすいでしょう。
悩んだ際には、原点に戻って、目的語のニュアンスが「過去」と「未来」のどちらを表しているのかを確認してみましょう。
次に、「動名詞」と「to不定詞」の両方を目的語にする動詞の例を紹介していきます。
動名詞とto不定詞の両方を目的語に取る動詞は、「動名詞」と「to不定詞」で意味が同じ動詞と、意味が異なる動詞の2種類に大きく分けられます。
ここからは、それぞれの場合について例文とともに解説をしていきます。
初めに、「動名詞」と「to不定詞」のどちらを目的語に取っても意味が同じ動詞を紹介していきます。
~どちらを目的語に取っても意味が同じ動詞の例~
「動名詞」と「to不定詞」のどちらを目的語に取っても意味が同じ動詞の例は上記の通りです。
ここからは、例文を見ていきましょう。
・動名詞を目的語に取る場合
"I like playing baseball."
(私は、野球をすることが好きです)
・to不定詞を目的語に取る場合
"I like to play baseball."
(私は、野球をすることが好きです)
例文を見てみると、どちらも同じ意味を取っていることがわかります。
また、基本的には、繰り返し起こる動作については、「動名詞」と「to不定詞」のどちらを目的語に取っても意味は変わりません。
次に、「動名詞」と「to不定詞」の取る目的語によって意味が異なる動詞を紹介していきます。
~取る目的語によって意味が異なる動詞~
「動名詞」と「to不定詞」の取る目的語によって意味が異なる動詞の例は上記の通りです。
ここからは、例文を見ていきましょう。
・動名詞を目的語に取る場合
"i stopped talking to my friend."
(私は、友達と話をするのをやめた。)
・to不定詞を目的語に取る場合
"I stopped to talk with my friend."
(私は、友達と話をするために立ち止まりました。)
どちらも同じような文章ですが、若干ニュアンスが異なっています。
動名詞の場合は、動名詞のあとの動詞に目的語の意味が適用されるため、例文では「話す」という行動を止めるという意味になっています。
しかし、to不定詞の場合は、to不定詞(~ために)の意味が適用されるため、「話すために」立ち止まるという意味になっています。
目的語がどの部分に用いられているのかをしっかりと判断できるようにしましょう。
動名詞と不定詞の両方を目的語に取る場合がある
動名詞は「過去」を表す
to不定詞は「未来」を表す
動名詞の意味上の主語は動名詞の動作や状態の主体になる存在ですが、きちんと知っておくべきことがあります。
また、動名詞は意味上の主語がないため、それぞれのパターンを文脈から判断しないといけません。
パターンは以下の3つのケースがあり、それぞれの事例について例文を用いて紹介していきます。
動名詞に主語がない場合は文脈から分かり、シンプルで短く書いて必要な単語の数を減らすコツとしても有名です。
最初のケースは「主文の主語と一致する場合」で、以下の例文を参考に解説します。
「Kitty went to bed without taking a bath.」のケースは、「キティは風呂に入らないで寝た」という意味です。
主語は「Kitty」になり、「went to bed」と「without taking a bath」を同時に行っています。
このため、主語が同じ場合には2つ付けると文章が回りくどくなり、文頭に1つだけ表記するだけで通じます。
しかし、「went to bed」と「without taking a bath」が別の人が行っていると省略できないため、冒頭に主語が1つしかなければ同じものになります。
次に、「目的語と一致する場合」があり、その例文は以下のようになりそれぞれの部分を解説します。
「Thank you for visiting my lesson.」は日本語に直せば以下の意味になり、「私のレッスンにお越しいただきありがとうございます。」です。
この場合は「Thank you」の「you」が「目的語」になり、「for visiting my lesson」は「you」がしたため「目的語と一致」しています。
このため、「you」を2つ書くと分かりやすくなって便利だと感じますが、回りくどい言い回しを避ける場合は分かるために省略する傾向があります。
最後に「一般の人々の場合」があり、以下の例文を使って解説します。
「Working too much is a common cause of business failure.」の文章ですが、日本語に直せば「働きすぎることはビジネスが失敗する共通の原因だ。」になります。
この場合の動名詞は「Working too much」になり、「働きすぎること」と「多く働く」の動詞と名詞の意味を兼用しています。
「一般の人々」の場合は人物が特定できないため、主語を書かずに表現することになります。
「一般の人々」が「働きすぎること」と「ビジネスが失敗する共通の原因」を指していることになり、「一般の人々」の部分を省いて主語がない文章になっています。
このため、「Working too much」と文頭に「working」を持ってきて動名詞の部分を置き、「is」を使って「a common cause of business failure.」と同じ内容にしていることが特徴です。
動名詞の意味上の主語はない場合もあり文脈で判断する
主文や目的語と一致したら主語が省かれる
主語がなく動名詞で2つのことを説明していると一般の人々になる
動名詞は名詞であっても文の性質もあり、使われる場所は主語や補語、目的語、前置詞の目的語の位置になります。
このため、同じ単語で「動詞」と「名詞」の役割があるため、文章を簡潔にする方法としても便利です。
また、動名詞を主語として使う場合は述語動詞を挟んだ前後の内容が同じになり、主語は1つのみで2つの動作を伝えられます。
動名詞を使えば主語を書かなくても分かりますが、文脈で判断して意味が通じるようにすることが大事です。
また、動名詞を学ぶときは文法関連になり、独学でテキストを使うかオンライン英会話で講師に教えてもらうと効果的です。