TOEICオンライン試験(IPテスト)は、場所や時間を気にせず受験できるTOEICのテストです。
TOEICオンライン試験と公開テストにはいくつか違いがあり、例えば インターネット環境を準備する必要性や、問題形式などがあります。
この記事では、TOEICオンライン試験ならではの特徴やメリット・注意点をまとめました。
また、どのような対策を取れば安心して受けられるのかを解説します。
オンラインでの受験を検討している方は、是非最後までお読みいただき、試験前の参考にしてみてください。
■まとめ
TOIEC L&R TESTは、オンライン受験が可能です。
現時点では、企業や大学、進学塾や英語教室などの場所で団体で受験するIPテストのみがオンライン受験可能で、個人で受験する公開テストではオンライン受験は出来ません。
自分が所属している会社や学校・教室などでIPテストを開催すれば、指定の会場に出向く必要はありません。
現時点では個人でのオンライン受験は不可能
オンライン受験は団体受験のIPテスト
自分が主催すれば会場に行かなくていい
TOEICのオンライン試験と公開テストにはどのような違いがあるのでしょうか。
はじめに、受験方法による違いを明確にしていきましょう。
今回はオンライン試験と公開テストの違いを以下の8つの観点から整理していきます。
オンライン試験(IPテスト)、公開テストそれぞれの受験料は以下のようになっています。
テストの種類 | 受験料(税込) |
---|---|
オンライン試験(IPテスト) | 4,320円 |
公開テスト | 7,810円 |
公開テストのリピート割引適用後でも7,150円なので、オンライン試験は料金を抑えてTOEICテストを受験することが可能だとわかります。
※料金は自社調べにより、あくまで目安として参考にしてください。オンライン受験は、主催団体が自由に実施期間を設定できます。
日付と開始時間が指定される公開テストとは異なっており、オンライン受験は受験期間の設定が可能になります。
例えば「5月16日9:00~5月20日9:00」 とこのように幅を持たせて設定が出来る点が公開テストとは異なっています。
期間内であれば、24時間いつでもどこでも受けられるのがオンライン受験のメリットです。
オンライン試験の場合、指定された試験会場での受験も可能ですが、自宅からでも試験を受けることができるようになります。
インターネット環境があれば、時間や場所を選ばずに受験することができるのです。
一方公開テストでは、事前に用意されている会場の中から、受験者の居住地から最も近い場所が試験会場になります。
オンライン試験の試験時間はリスニングに約25分、リーディング37分の計60分近い時間が設定されています。
公開テストはリスニングが45分、リーディングが75分の計120分であり、オンライン試験と比べて倍近い長さに設定されています。
オンライン試験の時間が短い理由は、問題数がちょうど半分程度であるためです。
項目 | オンライン受験 | 公開テスト |
---|---|---|
リスニング | 25分/45問 | 45分/100問 |
リーディング | 37分/45問 | 75分/100問 |
合計 | 約60分/90問 | 120分/200問 |
したがってオンライン試験であっても、公開テストと同じような時間配分の感覚で試験に臨むことができます。
オンライン試験の場合、試験の開始時間は指定されていません。
自身の好きなタイミングで開始することができます。
一方、公開テストは試験開始時間が10:20か、15:00と決められています。
オンライン試験と公開テストの大きな違いは、問題形式です。
オンライン試験には「ユニット」と呼ばれる大きな固まりが4つあります。
ユニット1と2にはリスニングが45問あり、ユニット3・4にはリーディング問題が45問あります。
一方公開テストには「ユニット」とは別に「パート」という括りが7つ設けられています。
リスニングがパート1〜4までで問題数は100問、リーディングがパート5〜7までで問題数は100問あり、全200問で構成されています。
オンライン試験は誰でも気軽に申し込めるわけではありません。
オンラインでの受験を希望する場合、企業や学校といった団体単位で申し込みをする必要があります。
対して、公開テストは個人での申し込みが可能なため、好きなタイミングで申し込めます。
オンライン受験は、公開テストと違って問題の先読みができません。
公開テストの場合、Part3とPart4は既に問題用紙に記載されているのですが、オンライン受験の場合は本文が読まれるときに始めて設問と選択肢が画面上に現れます。
また、他にもオンライン受験は時間配分がしっかりと決まっており、もしユニット1が終わったから早めにユニット2を解こうとしても解けない点が難点です。
また、ユニット1からユニット2に進んだらユニット1には戻れないので、少しやりずらいかもしれません。
オンライン受験では、受験後すぐにパソコンで採点結果の確認ができます。
結果をすぐに知りたい方は、オンライン受験を活用するといいでしょう。
公開テストの場合、結果が分かるのは受験日から17日後です。
また、郵送では受験日から30日以内となります。
それに比べて、オンライン受験では受験終了後から1ヶ月間は、オンライン確認ができ、テストのデータがIIBCへ到着してから4営業日以内に郵送されます。
このことから、オンライン受験ではすぐに採点が分かるので、結果を待つ必要がないですね。
TOEICにはオンライン試験と公開テストがある
オンライン試験は問題数・試験時間が半分
オンライン試験の方が受験料が安い
オンライン試験の特徴についてご紹介してきましたが、次にオンライン試験のメリットと注意点について整理していきましょう。
オンライン試験のメリットは以下の6つです。
1つ1つについて、詳しくみていきましょう。
オンライン受験のスコアでも履歴書に掲載ができます。
オンライン受験は、費用が安く時間も短い、問題数が半分以下なので繰り返し受講が出来ます。
一つ注意して欲しいことが、オンライン受験では公式認定証は発行されません。
そのため、公式認定証のみ有効にしている大学や企業もあるので、気をつけましょう。
オンライン試験は決められた試験開始時間が存在しません。
試験開始時間にスケジュールが左右されることなく、自分の好きな時に試験に臨むことができます。
オンライン試験はインターネット環境さえあれば、どこからでも受験できます。
わざわざ試験会場まで移動する必要がないので楽ですし、自宅で受験できるので、過度に緊張することも少ないです。
時間と場所を選ばないことがオンライン試験の最大のメリットでしょう。
オンライン試験は問題数が全90問と、公開テストの問題数である200問の半分以下です。
少ない問題数を短い時間で解くので、集中力を保ちやすいというメリットがあります。
オンライン試験では、試験が終了するとすぐに得点が表示される点が特徴です。
公開テストでは、試験終了から結果が判るまで1週間ほどかかり、すぐに結果が欲しい方は落ち着かない日々を過ごすことになります。
オンライン試験であればすぐに結果が判り、実績としてスコアを利用することができます。
オンライン試験は選択肢をクリックして進んでいくので、マークシートの塗りつぶしが必要ありません。
回答がずれたり、マーク漏れを心配する必要がないので、サクサク試験を進めていくことができます。
次にオンライン試験の注意点を4つご紹介します。
注意点についても、中身を1つずつ確認していきましょう。
オンライン受験は、個人での受験ができません。
現段階では、団体のみの受験となっているので、もしオンラインで受けたい場合は自分が主催となって開催するか所属している組織で受験をするかになります。
個人で受験したい方は、公開テストを受けましょう。
オンライン試験を希望する際は、PCの他にマイクとカメラの準備が必須になります。
マイクとカメラはカンニング対策で使用しているため、手元にない方は準備しておきましょう。
オンライン試験では、リスニング問題の先読みが不可能になってしまいます。
ペーパーテストである公開テストは、問題を先読みしてある程度予測を立てることができます。
しかし、オンライン試験は1問ごとに画面に表示されるため、勝手に先に進むことができません。
その場その場での確実な対応力が求められることになります。
オンライン試験にはリーディングが2ユニットありますが、それぞれのユニットに制限時間が設定されています。
仮にユニット3で時間が余っても、決められた時間が経過するまで、ユニット4に進むことはできません。
オンライン試験は時間と場所を選ばない
オンライン試験はインターネット環境やカメラ・マイクが必要
オンライン試験は問題の先読みができない
公開テストとは、問題数が異なるオンライン受験の問題構成をご紹介していきます。
受けるつもりの方は、是非参考にしてみてください。
リスニングパートの問題構成は、こちらです。
TOEICオンラインのリスニングパート構成 | ||
---|---|---|
ユニット 1 | 写真描写問題 | 3問 |
応答問題 | 4問 | |
会話問題 | 9問 | |
説明文問題 | 9問 | |
ユニット 2 | 応答問題 | 5問 |
会話問題 | 9問 | |
説明文問題 | 6問 |
ユニット1とユニット2があり、ユニット1の合計問題数が25問で、ユニット2の合計問題数が20問です。
ユニット1が終わってもユニット2の問題を解くことは出来ないため、気をつけましょう。
リーディングパートの問題構成は、こちらです。
TOEICオンラインのリーディングパート構成 | ||
---|---|---|
ユニット 1(約23分) | 短文穴埋め | 5問 |
長文穴埋め | 4問 | |
読解問題 | 16問 | |
ユニット 2(約14分) | 短文穴埋め | 7問 |
長文穴埋め | 4問 | |
読解問題 | 9問 |
リーディングパートでも、ユニット1とユニット2があり、それぞれの目安の時間配分が約23分と約14分です。
ユニット1の問題数が合計25問で、ユニット2の問題数が合計20問です。
リスニングパートは早く終わっても次に進めない
リーディングパートは時間配分の目安を意識しながら勉強する
TOEICオンライン試験は公開テストと違う点が数多くあるため、オンライン試験用に対策を講じることが必要です。
そこで、オンライン試験の対策法をリスニングとリーディングに分けてご紹介します。
オンライン試験におけるリスニングの対策方法をご紹介します。
写真描写問題は、1枚の写真について4つの短い選択肢が読み上げられるので、それに対応する文章を選ぶ問題です。
対策としては、「いつ」「誰が」「何をしたか」を聞き取ることが重要になります。
これ以降のリスニングは難しくなるので、ここでしっかりと点を取りましょう。
応答問題は、短い文章を聞いた後に対応する内容の選択肢を選びます。
基本的には、疑問文で聞かれることが多いですが、平叙文で出る場合もあるので覚えておきましょう。
対策としては、疑問から始まる応答問題は最初の"Wh-"や"how-"などに気を付けて、何が聞かれているのか見極めましょう。
たまに、ひっかけ問題があるのでしっかりと最後まで耳を傾けて聞きましょう。
会話問題は、2人以上の会話を聞き、内容に関する問いに答える問題です。
1つの会話につき、問題は3つあり、後半は3人以上の会話や図の説明・イラストを踏まえた問いも出題されます。
オンライン受験は、先読みができないため音声にしっかりと集中して、1つでも多くの単語を聞き取り内容や状況を想像できるかがポイントとなってきます。
可能であれば、問いと選択肢は音声が流れているときに目を通すといいでしょう。
説明文問題は、1人による長文を聞き取り、設問に答える問題となっています。
内容は、留守番電話やラジオ放送、会議の一部や広告など様々なジャンルの音声が流れます。
対策としては、問題が表示されてから音声が流れるまでに1問目に目を通しましょう。
2問目以降は、音声を聞きながら問題を読みましょう。
読み上げられる音声の基本的な構成は、導入→本文1→本文2→まとめ(提案)の形式なので、導入を聞き取った時点で1問目の答えに見当をつけることが出来れば、安定してスコアを稼げるでしょう。
リスニングで得点を伸ばすためには「リテンション力」を伸ばすことを意識しましょう。
「リテンション」という言葉には、「保持・維持」という意味があります。
英語学習における「リテンション力」は、読んだり聞いたりした英語を一時的に頭の中に記憶しておく力のことを指します。
リスニングでは、リテンション力を上げるために以下の3つを特に意識して練習するようにしましょう。
TOEICに限らずどんな試験にも共通して言えることですが、問題パターンを事前に把握することが大切です。
オンライン試験のリスニングでは、パート3と4に頻出する問題のパターンが存在します。
公式問題集や模試のパート3・4の問題を何度も音読したり、シャドーイングしたりと対策することで、出題される問題のパターンをつかんでおきましょう。
ここからは、オンラインでの開催だからこそ必要となる対策を2つご紹介します。
Webでの回答が慣れていない方も、2回目以降の方も、事前に万全の体制を整えて試験に臨みましょう。
オンライン試験を受験する際は、受験環境を可能な限り整備しておきましょう。
集団受験の場合、リスニングではスピーカーの音量が聞き取りづらかったり、騒音で聞こえなかったり、といったトラブルが予想されます。
しかし、自宅でも受験が可能となっているオンライン試験では、イヤホンやスピーカーは自分の好きなものを使うことができます。
また、問題を表示するPCの画面も大きいものにしておくことで、回答時のストレスを減らすことが可能です。
オンライン試験を受ける前に、PCで回答することに慣れておきましょう。
パートによっては、画面が2分割され、それぞれにスクロールが必要になっている箇所もあります。
試験で初めて経験することにならないよう、事前に準備をしておきましょう。
次に、TOEICオンライン試験における、リーディングの対策方法をご紹介します。
短文穴埋め問題では、1行~2行の短い文章を読み空欄に当てはまる最適な単語やフレーズを選択肢の中から選ぶという問題です。
単語と文法の知識量と回答速度を求められる問題とはなりますが、練習を重ねれば得点源となる部分です。
対策としては問題を繰り返し解き、1問にかける時間を減らしていくといいでしょう。
ただ、オンライン受験本番はモニター画面を見るので、紙で慣れていると違和感があるかもしれません。
そのため、モニター画面で解く練習もしておくといいでしょう。
長文穴埋め問題では、10行前後の文章を読み空欄に当てはまる最適な単語や文章を選びます。
ここでも、短文穴埋め問題と同じで単語と文法の知識力を求められることと、文脈を踏まえて答えを推測する読解力が求められる問題となっています。
対策としては、まず知識力と読解力のどちらを求められているのかということを判断しましょう。
知識力である場合、短文穴埋め問題同じように速やかに答えましょう。
読解力の場合、すぐに答えられるものではないときもあるのでそういった時は一旦保留して知識力を問われている問題から進めるといいでしょう。
読解問題では、複数の文章を読み内容に関した問題を解きます。
文章数は、内容によって異なり最小で1つ、最大で3つのパッセージを扱います。
内容としては、メールやチャット、新聞記事や広告など様々で問題量の多さと読解力が求められます。
対策としては、まず何について問われているのかを理解し文章を読みながらヒントを探していきましょう。
Q2の答えがQ1の前にあることはないため、大まかな位置関係も意識しながら答えを探しましょう。
リーディングでは、文章の内容を早く理解することを日頃の勉強から意識して取り組みましょう。
リーディングの「パート7」は設問が多く、1つの画面に問題文と設問が収まりきらないため、ページをスクロールする必要が出てきます。
文章を読み、設問を確認し、また文章に戻り...のようにしていると、必要以上に時間がかかってしまいます。
問題文を1度で理解し、すぐに解答へ移り、余計な時間をかけずにリーディング問題を解いていくことが大切です。
問題文を1度読んで内容を理解するためには、パラグラフの内容を声に出して読む練習方法が効果的です。
問題文から1つのパラグラフを声に出して読み、その後文章を見ずに同じパラグラフを声に出してみてください。
初めはうまくいきませんが、練習していくうちに徐々に上達し、最終的には1度文章を読めば内容を理解できるようになります。
オンライン試験では「リテンション力」が大切
出題パターンを把握しよう
事前の環境準備も重要
最後にTOEICオンライン試験に関してよくある質問をご紹介します。
オンライン試験に関連したよくみられる質問は以下の2つです。
オンラインだからこその不安もあるでしょうから、必要な部分は確実に確認しておきましょう。
オンライン試験では、受験者の試験中の動きがカメラとマイクによって録画・録音されています。
不審な動きが感知された場合、AIが主催者に報告するシステムが組まれているので、カンニングは不可能となっています。
オンライン試験では、公式認定証をもらうことはできません。
かわりに「スコアレポート」と呼ばれるものが発行されます。
スコアレポートはPDF形式で発行されるので、自分でダウンロードし保存する必要があります。
オンライン試験のスコアも履歴書に記載可能
カメラとマイクによってカンニング対策がされている
公式認定証は発行されない
TOEICオンライン試験は公開テストと異なる点が数多くあります。
時間や場所を選ばず、好きなタイミングで受験することができるのは大きなアドバンテージとなるでしょう。
しかし、受験環境を整えるための準備はある程度必要です。
受験料は、試験内容が公開テストと比べて半分程度なので安くなっていますが、マイクとカメラの調整などに時間をを要する可能性があります。
回答方法も、オンラインならではの部分がいくつかあるので、事前の対策をしっかりと行い、本番で自分の力が十分発揮できるようにしましょう。
また、オンライン事件の場合公式認定証は発行されないことは十分に注意しておくことが必要です。