オーストラリア英語を聞いて聞き取りにくいと思ったことはありませんか。
日本人にとって馴染みのある英語といえばアメリカ英語なので、オーストラリア英語の独特な発音や表現に戸惑ってしまうこともあるかと思います
本記事ではオーストラリア英語のアクセントの種類をはじめ、発音・表現などの特徴や、アメリカ英語との綴りや単語などの違いを解説します。
オーストラリア英語を学びたい人に向けて、慣れるためにおすすめのアプリやオンラインサイトも紹介するので、是非参考にしてみてください。
オーストラリアの英語は「オージーイングリッシュ(aussie English)」と呼ばれています。
オージー(aussie)とは「オーストラリアの」という意味の英語表現ですが、オーストラリア人が自分たちを呼称するときにも使います。
ではオーストラリア英語(オージーイングリッシュ)とはどのようなものなのでしょうか。
オーストラリアは1606年に初めて西洋人が訪れ、18世紀後半より本格的にイギリスの植民地になったという歴史があります。
ではオーストラリアの英語が生まれた経緯について、さらに詳しく見てみましょう。
植民地化にともない、オーストラリアには多くのイギリス人が移民してきました。
移民の多くはロンドン・アイルランド出身の者が多かったため、オーストラリア英語には英語方言の影響が色濃く残っています。
発音やスペルなどもイギリス英語の影響が強く、アメリカ英語とは多くの点で異なっていることが特徴です。
英語は世界で広く使用されている言語で、話される地域によってインド訛りやシンガポール訛りなど、さまざまな訛りがあります。
オーストラリアの英語は「twang(トゥワング)」と呼ばれる訛りがあることで有名です。
訛りがあることで聞き取れないという人が多いですが、オーストラリア英語の発音・表現にはいくつかの法則があります。
植民地化の歴史的背景があるため、さまざまなアクセントが混じり合い現在のオーストラリア英語が形成されてきました。
イギリス圏の各地方の訛りに加え、オーストラリアの先住民であるアボリジニの言葉も、オーストラリア英語のアクセントに影響を与えています。
現在ではオーストラリア英語には以下の3つのアクセントがあるとされています。
イギリスの植民地支配がオーストラリア英語に影響を与えた
多くの英語方言のようにオーストラリア英語にも訛りがある
アクセントは大きく分けて3種類
オーストラリア英語には独特の発音や表現・スラングが存在します。
知らなければ全く分からないようなものもあるので、ここでいくつか紹介しておきましょう。
オーストラリア英語の最大の特徴は発音の仕方にあると言えます。
英語を日常的に話す人であれば、すぐに話し方でオーストラリア人だと気づくのではないでしょうか。
ではオーストラリア英語の発音の特徴を見ていきましょう。
Aの発音は、アメリカ英語では「エイ」となる場合が多いですが、オーストラリア英語では「アイ」と発音します。
例として「today(トゥダイ)」や「reservation(リザヴァイション)」といった発音です。
かなり特徴的なので、初めて聞くと何を言っているのか分からないかも知れません。
以下の例を載せるので参考にしてください。
単語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
today | トゥデイ | トゥダイ |
name | ネイム | ナイム |
eight | エイト | アイト |
mate | メイト | マイト |
アメリカ英語のようにRの発音を強調することはありません。
アメリカ英語で舌を巻くように発音するところを、オーストラリア英語では舌を伸ばしたまま発音します。
「there」は「ゼェー」、「compare」なら「コンペェー」のように発音します。
そのままカタカナのように発音すればいいので、日本人でも真似しやすいのが特徴です。
I(アイ)の発音はオーストラリア英語では「オイ」に近い発音になります。
「nine(ナイン)」は「ノイン」、「wine(ワイン)」は「オヮイン」のように聞こえるでしょう。
単語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
nine | ナイン | ノイン |
wine | ワイン | オヮイン |
bike | バイク | ボォイク |
like | ライク | ロォイク |
アメリカ英語では、母音に挟まれたTはDやRの発音に近くなります。
「letter」を例にとると「レダー」や「レラー」という発音になるのです。
しかしオーストラリア英語では母音に挟まれたTをはっきりと発音するため、日本語の「レター」に近い発音に聞こえます。
単語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
water | ウァーラァー | ウォーター |
better | ベラー | ベター |
party | パーリー | パーティー |
アメリカ英語でCAは「キャ」と発音するため、「can」は「キャン」という発音に近くなります。
対してオーストラリア英語ではイギリス英語のようにCAを「カ」と発音するので、「can」は「カン」と発音されるのです。
単語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
can’t | キャーント/td> | カーント |
castle | キャッスル | カッスル |
cat | キャット | カット |
オーストラリア英語でsh発音だけでなく、表現にも違いが見られます。
ここではオーストラリア英語に特徴的な表現についても解説いたします。
オーストラリア英語ではアメリカ英語と全く違う表現をする言葉が多くあり、知らなければ訳が分からないということにもなりかねません。
数ある独自の表現のうち、いくつかを紹介します。
アメリカ英語では「化学者」を表す言葉ですが、オーストラリア英語では「ドラッグストア」の意味で使われます。
ちなみにアメリカ英語でドラッグストアは「pharmacy」です。
初めて聞いた単語だという人は多いのではないでしょうか。
「tinny」はアメリカ英語では「canned beer」つまり缶ビールのことです。
また酒屋を意味する「liquor shop」はオーストラリア英語では「bottle shop」と言います。
ここに挙げたもの以外にもたくさんの独自表現があり興味深いです。
時間を表す表現にも、アメリカ英語とは全く異なるものがあるので注意が必要です。
時間を尋ねたり答えたりするときの表現を見てみましょう。
オーストラリア英語での時間の表現の仕方は、イギリス英語の表現とほぼ同じと考えて良いでしょう。
「past(過ぎ)」と「to(〜まで)」を使い、「15分」は「quarter」「30分」は「half」を使うのが原則です。
簡単にまとめると次の表のようになります。
5時ちょうど | five/five o'clock |
---|---|
5時10分(5時10分過ぎ) | ten past five |
5時15分(5時15分過ぎ) | quarter past five |
5時20分(5時20分過ぎ) | twenty past five |
5時30分 | half past five |
5時40分(6時まで20分) | twenty to six |
5時45分(6時まで15分) | quarter to six |
5時50分(6時まで10分) | ten to six |
「5時半」は「half past five」と言いますが、「half to six」とは言わない点に注意してください。
30分までなら「past」を使い、30分を過ぎたら「to」を使うのが原則です。
アメリカ英語やイギリス英語のように、オーストラリアの英語にもスラング(俗語)があります。
使う機会はそれほど多くはないかも知れませんが、知識として知っておくとオーストラリア英語にもっと興味が湧くかも知れません。
単語 | 直訳 | スラングの意味 |
---|---|---|
flat out | 全力の | とても忙しい |
Australian as a kangaroo | カンガルーみたいなオーストラリア人 | 生粋のオーストラリア人 |
dead horse | 死んだ馬 | トマトケチャップ |
オーストラリア英語の発音にはクセがある
時間の表現の仕方はイギリス英語とほぼ同じ
面白いスラングがたくさんある
オーストラリア英語には、日本人に馴染みの深いアメリカ英語との違いが多く見られます。
ここではオーストラリア英語とアメリカ英語のさまざまな違いについて解説します。
同じ意味・発音の単語でも綴り(スペル)が違う場合があります。
オーストラリア英語はイギリス英語を元にしているので、単語の綴りにもイギリス英語の名残があるのです。
「-er」で終わる単語は「-re」になる場合があります。
アメリカ英語の「center」や「theater」は、「centre」「theatre」となるのを聞いたことがある方も多いでしょう。
以下はよく使う単語ですので、覚えておくとよいでしょう。
アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|
center(中心) | centre |
liter(リットル) | litre |
fiber(繊維) | fibre |
meter(メートル) | metre |
theater(劇場) | theatre |
「-ize」は「-ise」となることが多いので、「recognize」は「recognise」、「apologize」は「apologise」となります。
細かい違いなので、気づかない人もいるのではないでしょうか
ただし、スペルは違いますが発音は同じですのでご注意ください。
アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|
realize(気づく) | realise |
apologize(謝る) | apologise |
analyze(分析する) | analyse |
memorize(暗記する) | memorise |
以下で紹介するように、「-or」は「-our」となる場合があります。
また、単語の途中に「-or」を含む「favorite」なども「favourite」というスペルになるので要注意です。
アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|
color(色) | colour |
behavior(行動) | behaviour |
honor(名誉) | honour |
「-ense」は「-ence」と綴られることが多いです。
アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|
defense(防御) | defence |
license(免許) | licence |
スペルの法則は全ての単語に当てはまるわけではありませんが、アメリカ英語とオーストラリア英語の違いが見て取れるでしょう。
オーストラリア英語では、単語の使われ方がアメリカ英語とは異なる場合があります。
フレーズ・イントネーションの違いも合わせて解説しましょう。
アメリカ英語とオーストラリア英語での単語の使い方の違いをいくつか紹介します。
ここで挙げたもの以外にも使われ方の違う単語がたくさんあり、文化の違いを感じられて面白いです。
日本語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
セーター | sweater | jumper |
休暇 | vacation | holiday |
エビ | shrimp | shrimp/prawn |
市街地 | downtown | city centre |
アメリカ英語ではエビを意味する言葉は全部「shrimp」です。
イギリス・オーストラリア・ニュージーランドでは、「shrimp(小さめのエビ)」と「prawn(大きめのエビ)」を区別します。
またオーストラリア英語では、下のように単語を短く縮めてしまうことが多いのも特徴です。
日本語 | アメリカ英語 | オーストラリア英語 |
---|---|---|
野菜 | vegetables | vegies |
チョコレート | chocolate | choccy |
朝食 | breakfast | brekkie |
救急車 | ambulance | anbo |
オーストラリア英語には、話す言葉の最後のイントネーションが上昇するという特徴があります。
アメリカ英語とのイントネーションの違いを見てみましょう。
肯定文の場合でも文末のイントネーションが上がるオーストラリア英語のスタイルは、「Australian Question Intnation(AQT) 」と呼ばれます。
例えば次の例文です。
これをアメリカ英語、オーストラリア英語それぞれのイントネーションで発音すると以下のようになります。
アメリカ英語は途中までは上げ調子で話し、最後は下げて終わります。
一方、オーストラリア英語は、文末も疑問文のように上げ調子のイントネーションにする傾向があります。
単語のスペルはアメリカ英語とは違うルールに則ったものがある
アメリカ英語とは異なる独特の表現や言い回しを覚える必要がある
疑問文でなくとも文末はイントネーションが上昇しがちである
ここからは、覚えておくと便利なオーストラリア英語をご紹介します。
どれも覚えやすいものばかりですので、ぜひ暗記して日常生活で使ってみてください。
「Good day」の短縮形である「G’day」は親しい間柄の人と交わすオーストラリア定番の挨拶で、「グダイ」と発音します。
英語の「Hi」や「Hello」、日本語の「こんにちは」にあたる挨拶です。
カジュアルなシチュエーションでよく使われるので、覚えておくと良いでしょう。
オーストラリアの友人から「マイト」と話しかけられることが多々あります。
この表現は、主に親しい相手に使う表現です。
先ほど紹介した「G’day」と合わせて、「G’day,mate」と話しかけられることもあるので覚えておくと便利でしょう。
「Cheers」は乾杯の掛け声として知られていますが、オーストラリアではカジュアルな場面で感謝の気持ちを伝えるときに使用されます。
英語でいう「Thanks」のように軽い感謝の気持ちを伝える際はぜひ使ってみましょう。
なお、先ほどの「G’day」同様、「Cheers,mate」という形をとることがほとんどです。
「No Worries」(ノーウォーリー)は日本語の「大丈夫」に近いニュアンスを持った表現です。
様々な場面で使用できる便利な表現ですので、ぜひ覚えましょう。
Yup,Nupは相手の問いかけに対しカジュアルに返答したい場合に使える表現で、それぞれ「ヤップ」「ナップ」と読みます。
「ヤップ」は日本でいう「うん」にあたる軽い肯定の言葉、「ナップ」は「いや」に当たる軽い否定の言葉として使われます。
そのリズム感も相まって覚えやすく使いやすいので、積極的に使ってみましょう。
オーストラリアの挨拶は「G’day(グダイ )」
感謝の気持ちは「Cheers」で伝える
「No Worries」は様々な場面で使えるので覚えておくと便利
オーストラリアの英語には特徴的な発音やアクセントがあることは述べました。
ではオーストラリア英語の音に慣れるにはどうすればいいのでしょうか。
オーストラリア英語の耳慣れのためにはアプリを活用するのがおすすめの方法です。
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