ビジネス英語の資格を取ろうとしているが、「どの検定を受ければ良いのか分からない」「そもそも検定を受けるメリットが分からない」というようにお考えの方もいらっしゃることでしょう。
今回の記事では、ビジネスシーンにおいて英語の検定を受けるメリット、おすすめの検定やその詳細について紹介いたします。
本記事を読むことで、自分の受けるべき検定について知ることが出来るはずです。
■まとめ
英語検定試験と聞くと、学生が就活や受験のために受けるというイメージが強いもしれませが、英語力の必要性が高い現代では、社会人になってから受験する必要が出てくるでしょう。
それでは、まず検定を受けるメリットを確認しましょう。
英語力は今やビジネスマンに必須とされる能力の一つです。
検定を受けることで自身の英語力を担保し分かりやすく伝えられる、というのがビジネス英語の検定を受ける最大のメリットといえるでしょう。
「英語が出来ます」と漠然と言うのではなく検定のスコアを添えることで、英語力を説得力のあるアピールポイントにすることが出来ます。
2つ目の検定を受ける大きなメリットは、就職や昇進の大きなポイントになるという点です。
英語が出来て当たり前だと言われている、一部企業では、英語力がいかに実際使い物になるかが試されているため、アウトプットが出来なければなりません。
検定によって英語力を担保されていると、安心して任せられる仕事の幅が広がり、そこから就職の強みになったり、昇進のきっかけになったりするのです。
ビジネス英語検定の難易度は、「CEFR」という数値を用いることで表すことができます。
上記の資料は、文部科学省がまとめた英語の習得度合いの指標を各英語検定のスコアにあてはめたものである。
「A」よりも「C」の方が言語の習得度合いが高く、「A1~A2」は基礎段階の言語使用者、「B1~B2」は自立した言語使用者、「C1~C2」は熟練した言語使用者とされています。
最大のメリットは、自分の英語力を分かりやすく伝えられること
検定を受けることで学習に具体的な目標を持つことが出来る
英語の習得度合いは「CEFR」という指標で表される
初めに紹介するのは、初心者向けおすすめビジネス英語検定です。
これから英語を勉強する方などは、試験を目標に勉強をすることでモチベーションを保つことができます。
ここでは、初心者向けの4つのビジネス英語検定を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
~【初心者向け】おすすめビジネス英語検定4選~
TOEICは日本で最もメジャーな英語検定の一つです。
正式名称は「国際コミュニケーション英語能力テスト」と言います。
現在では学生も多く受験しているTOEICですが、TOEICは本来英語によるコミュニケーションとビジネス能力を評価する検定なのです。
実はTOEICには5つのテストが存在します。
単にTOEICといった場合、一般にTOEIC Listening&Reading Test のことを指すと考えて良いでしょう。
会話やビジネスでの英語能力を測ることが出来るため、これから就活を控えた学生仕事で英語を活用する人など、多くの人におすすめ出来ます。
試験は年に10回、全国80都市での受験が可能となっています。
「TOEIC」の試験概要と受験料については、以下の通りになります。
TOEIC Listening & Reading Test試験概要 | |
---|---|
問題数 | Listening:100問、Reading:100問 |
試験時間 | Listening:45分、Reading:75分 |
点数 | 5点~990点 |
受験料は7,810円(税込)となっており、インターネットやコンビニの端末で受験申し込みが出来ます。
長時間の受験となるため、模擬試験などを参考に時間配分には充分に注意して取り組みましょう。
TOEICには合否はありませんが、その代わりにスコアによって英語のレベルが測られる試験です。
一般的に600点以上のスコアを取ることが出来れば、履歴書等に書いてアピール出来ます。
この点数を取得するには、高校卒業程度以上の英語力が求められ、加えて長文読解力とリスニング力を備えていることが鍵になります。
ここからは、TOEICのもう一つの試験である「TOEIC SW」について紹介していきます。
英語の4技能のうち、スピーキングとライティングの力を測ることが出来るのがTOEIC Speaking&Writing (通称TOEIC SW)です。
TOEIC SWは、スピーキングとライティングの力を測ることが出来る検定です。
ビジネスで英語を使う場合、英語での商談や書類のやりとりなど、スピーキングとライティングの力は少なからず必要でしょう。
「仕事で英語を活用する場面がある」という方にはおすすめの検定です。
「TOEIC SW」の概要については、以下の通りです。
TOEIC Speaking & Writing Test試験概要 | |
---|---|
問題数 | Speaking:100問、Writing:100問 |
試験時間 | Speaking:20分、Writing:60分 |
回答方式 | マークシート方式 |
点数 | 各0~200点、計400満点 |
TOEIC SWの受験料は10,450円(税込)で、スピーキングのみの場合、6,930円(税込)で受験することが出来ます。
こちらも、インターネットやコンビニ端末での受験申込が可能です。
400点満点中240点をとれば、履歴書に書くには有利なスコアだと言われています。
このスコアは、ライティングをする上で文法的なミスがなく適切な表現を用いることが出来、ネイティブスピーカーとの会話が違和感なく行える程度のレベルです。
なかなかスコアが上がりにくいとされるTOEIC SWですが、スコアを取得出来ればビジネスで大きな利点となるのは確実です。
「CASEC」は教育測定研究所が開発・運営している英語コミュニケーション能力の能力を測定することができるテストです。
「CASEC」の特徴は、インターネット環境があれば、24時間場所を問わず受講が可能であるという点です。
試験会場に行く必要がなく、40分〜50分で試験を受けることができるため、気軽に受験することができます。
簡単に受験することができるため、自分の現状の英語力をすぐに測定したいという方におすすめです。
「CASEC」の受験料と試験概要については以下の通りです。
「CASEC」試験概要 | |
---|---|
問題数 | セクション1:16問 セクション2:16問 セクション3:17問 セクション4:11問 |
試験時間 | 40分~60分 |
回答方式 | 選択式 |
点数 | 各0~250点、計1,000満点 |
「CASEC」の受験料は、1回あたり3,667円(税込)となっています。
「CASEC」のスコアはほとんど「TOEIC」のスコアと同じです。
例として。「CASEC」でスコアを850点取った場合に対応する「TOEIC」のスコアは930点となっています。
多少の誤差はありますが、ほとんど同じため、わかりやすいです。
Linguaskilはビジネスシーンにおける英語能力を測るためのオンラインテストです。
ひとつの検定で「読む」「書く」「聞く」「話す」の英語のスキルを満遍なく測ることが出来ます。
英語力にはスピーキング・ライティング・リーディング・そしてリスニングの4つの力が含まれることは前述した通りです。
Linguaskilでは、この4つのスキルをすべて測ることが出来ますが、単一での受験も可能です。
日本で英語を使った仕事をする人はもちろん、海外転勤にも大きな強みとなる検定です。
リーディングとリスニングは、受験者の進度によって出題難易度や問題数が変わるタイプの試験となるため、試験時間や問題数は受験者によって異なります。
「Linguaskil」試験概要 | ||||
---|---|---|---|---|
ー | Speaking | Writing | Reading | Listening |
問題数 | 5題 | 2題 | 不明 | 不明 |
試験時間 | 約15分 | 45分 | 約60~85分 | 約60~85分 |
回答方式 | 録音 | タイピング入力 | 択一式・語彙入力 | 択一式・語彙入力 |
以下、受験料をまとめました。
「Linguaskil」受験料(税込) | |||
---|---|---|---|
Reading & Listening | 2,900円 | +Speaking | 8,900円 |
+Writing | 5,900円 | ||
+Speaking+Writing | 11,900円 | ||
Speaking | 6,900円 | ― | ― |
Writing | 3,900円 | ― | ― |
スピーキングとライティングは単一で受験することも可能ですが、リーディング&リスニングの試験とセットで申し込むと割引が適用されます。
そのため、受験を検討する際は、4技能を一気に試してみることもおすすめです。
こちらは合否ではなく、結果が受験者の現状レベルとして判定される検定です。
あくまで目安ですが、中上級レベル(TOEIC500〜750)以上の英語力が必要とされます。
海外への進学や就職など、本格的に英語を使って仕事や勉強をしたい人が受験する検定なので、高度なレベルが求められる検定となっています。
TOEICは知名度が高い
CASECはすぐに受験できる
Linguaskilは4技能を測定できる
次に、中級・上級者向けのおすすめビジネス英語検定を3つ紹介していきます。
紹介するものは、ビジネスの現場で実際に通用するレベルを目標に勉強をしている人におすすめとなっています。
~【中級・上級者向け】おすすめビジネス英語検定3選~
日商ビジネス英語検定とは、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施している英語検定です。
その名の通りビジネスシーンに特化した英語検定なので、ビジネスで英語を活用する人は一度受験を検討してみてもよいでしょう。
日商ビジネス英語検定の最大の特徴は、貿易取引を想定したビジネスシーンから出題されることです。
3級ではEメール作成、2級では会議やプレゼン、1級では契約書の作成など、級に応じて異なるビジネスシーンから出題されます。
貿易関係など、仕事で英語を頻繁に使う方や、将来的に英語を使って仕事がしたいという方におすすめの検定です。
特別頻繁に英語を使わない仕事であっても、取得しておくと仕事の幅が広がります。
「日商ビジネス英語検定」の受験料と試験概要については以下の通りです。
日商ビジネス英語検定 試験概要・受験料 | |||
---|---|---|---|
ー | 1級 | 2級 | 3級 |
問題数 | 3題 | 10題(50問) | 10題(50問) |
試験時間 | 90分 | 40分 | 30分 |
回答方式 | 英文書作成・択一式・記述 | 択一式・記述 | 択一式・記述 |
合格点数 | 70点以上/100点満点 | ||
受験料 | 7,330円(税込) | 5,240円(税込) | 4,200円(税込) |
試験はコンピューターでの受験になるため、タイピング練習をしておくと良いでしょう。
また、全ての級で記述問題が中心となっており、1級になると加えて英文解釈などその他の能力も求められます。
日商ビジネス英語検定のレベルは級によって異なります。
先ほど紹介したTOEICではスコア700以上が一つの目安であると紹介しましたが、日商ビジネス英語検定の1級はTOEICに換算して750〜800点程度のレベルです。
1級を取得した場合、ビジネスでの英語の活用にはほぼ問題がないといえるでしょう。
ケンブリッジ英検は、100年以上の歴史のある世界中で高い評価を受けている資格試験です。
言語の習熟度の指標を表す「CEFR」に完全準拠した基準で英語4技能を評価してくれます。
ケンブリッジ英検の特徴は、試験が細かく分かれていて、自分のレベルに合った試験を選択して受験することができる点です。
試験のレベルは、「A2 Key」「B1 Preliminary」「B2 First」「C1 Advanced」「C2 Proficiency」と分かれています
基本となるレベルは「A2 Key」のため、初めての人は「A2 Key」のレベルを受験すると良いでしょう。
ケンブリッジ英検は、自分の現状の英語力を「CEFR」で測定したい社会人の方におすすめの英語資格検定です。
「ケンブリッジ英検」の受験料と試験概要については以下の通りです。
「ケンブリッジ英検」試験概要・受験料 | |||||
---|---|---|---|---|---|
等級 | 「A2 Key」 | 「B1 Preliminary」 | 「B2 First」 | 「C1 Advanced」 | 「C2 Proficiency」 |
試験時間 | 約110分 | 約130分 | 約180分 | 約240分 | 約240分 |
受験料 | 9,900円 | 12,100円 | 20,350円 | 22,550円 | 25,850円 |
「ケンブリッジ英検」のレベルの目安は、「CEFR」をもとに表すことができます。
一般的にビジネスレベルで使用する際には、B1~B2レベルを目標に学習するとよいでしょう。
「IELTS」は、海外留学や海外移住の際に利用することができる英語資格検定です。
「IELTS」の特徴は、留学や海外移住の際に利用することができる点です。
英語圏の国々への留学や就労、移住などを希望する人の英語力を証明するものとして世界的に認知されています。
そのため、海外への留学を行く際のレベルの指標は「IELTS」を用いることが多くあります。
海外留学や海外就労など海外での生活を予定している人にはおすすめの英語資格検定です。
「IELTS」の受験料・試験概要についは以下の通りです。
「IELTS」試験概要・受験料 | ||||
---|---|---|---|---|
問題内容 | リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング |
問題数 | 40問 | 40問 | 2問 | 3パート |
試験時間 | 40分 | 60分 | 60分 | 約15分 |
「IELTS」の受験料は、1回当たり25,380円となっています。
「IELTS」のスコアはバンドスコアという方法で評価されます。
全部で10段階に分かれており、英語を話せるレベルを表しています。
「日商ビジネス英語検定」はビジネスシーンに特化した英語検定
「ケンブリッジ英検」はCEFRで評価される
「IELTS」は海外移住者向け
ここまで、ビジネス英語資格試験について紹介してきました。
ビジネス英語の資格試験の対策には英会話スクールを利用することがおすすめです。
イングリッシュカンパニーの特徴は、課題を明確にすることで「1日1.5時間」の超高密度学習を実現しているという点です。
また、イングリッシュカンパニーでは、第二言語習得論の科学的な知見に基づいて一人ひとりにあった最適なカリキュラムを作成してくれます。
オンラインでの受講も可能になっているため、自分の生活スタイルに合わせてレッスンを受講することができます。
そのため多忙な社会人でも、ビジネス英語の資格試験対策として利用することができます。
イングリッシュカンパニーのコースと料金は以下の通りです。
コース | 料金(税込) | 特徴 |
---|---|---|
パーソナル トレーニングコース |
90日間 / 561,000円 | 全レベル対応の短期集中のマンツーマンレッスン |
180日間 / 679,800円 | ||
パーソナルトレーニング IT英語コース |
90日間 / 561,000円 | IT業界・業種向け短期集中マンツーマンレッスン |
180日間 / 679,800円 | ||
「初級」 セミパーソナルコース |
6ヶ月 / 264,000円 | 中学英語レベルの基礎から学習できる |
「中級」 セミパーソナルコース |
3ヶ月 / 231,000円 | ビジネスにも通用する英語力の土台をつくる |
「上級」 セミパーソナルコース |
3ヶ月 / 242,000円 | 実践的なビジネスレベルの英語を習得する |
大学受験コース | 3ヶ月 / 396,000円 | 短期集中の大学受験対策向け学習カリキュラム |
6ヶ月 / 419,100円 |
※料金は自社調べにより、あくまで目安として参考にしてください。
今回はビジネスシーンでの英語能力を測る検定について紹介しました。
英語力を測る検定には様々なものが存在します。
特にビジネスシーンにおいて、なんらかの検定を取得していることは自身の英語力をアピールするための大きな武器と言えるでしょう。
ぜひ自分の目的にあった検定を受験して、ご自身の英語力を証明するツールを手に入れましょう。
「ビジネス英語検定」に関してよくある質問を集めました。
英語の検定を受けておくと、自身の英語力がビジネスでどこまで通用するかを客観的に知ることが出来ます。そのため確かな自信を持って英語を使ったビジネスに臨むことが出来るのが、検定を受ける大きなメリットです。また、転勤や海外赴任の際に自身の英語力について証明することが出来、英語力を明確なアピールポイントにすることが出来ます。
TOEICは日本ではかなりメジャーな英語検定ですから、汎用性があります。ビジネスシーンに特化した検定を受験したい場合は日商ビジネス英語検定、日本に限らず通用する英語力を身につけたい場合はLinguaskil(現・Linguaskill)がおすすめです。検定によって測る力が異なりますので、自分が最も必要だと感じる力を試すことが出来る検定を受験しましょう。