英語を習い始めたとき、カタカナで表記される日本語は「すべて英語由来」と勘違いするケースが多くみられます。
あるいは、英語学習の中・上級者になっても、ちょっと油断するとパンとかマロンとかを使用してしまいます。
この記事では、そもそも「和製英語とは簡単にいうと何か」を説明し、また和製英語一覧を使ってみなさんの理解を助けています。
その他、面白い和製英語や、食べ物など種類別の和製英語を紹介するなど、みなさんの興味が尽きない記事構成になっています。
この記事を理解すれば、英語会話中に思わぬ恥をかいたり、誤解を招いたりするケースを回避でき、ネイティブに認められること請け合いです。
和製英語(わせいえいご)は、日本語の中のカタカナ語の一つで、日本で日本人によって作られた英語に似ている言葉です。
英語圏では別表現をするためネイティブには理解されなかったり、まったく別の解釈をされる場合があります。
和製英語とは日本で日本人によって作られた言葉であり、それに対して外来語は日本に入ってきた外国語をそのままの意味や読みで使っているものを指します。
以下に外来語の例を挙げます。
ちなみにリード文中の失敗談の正解は、パンはポルトガル語由来、マロンはフランス語です(英語ではchestnut)。
和製英語は英語ではなく日本語であるため、ネイティブには通じません。
そのため、日本人はしばしば和製英語による英単語や英文法の勘違いを起こします。
先ほど説明した外来語は、それぞれの国にある言葉がベースになっているので、アクセントなどに注意して発音すれば、通じる可能性がゼロではありません。
あるいは、ブルー、イエロー、オレンジなど英語がそのまま使われている場合は、英語ネイティブにほぼほぼ通じるでしょう(オレンジは、アクセント位置が日本語と異なりますが)。
それに対し和製英語は、「日本で日本人によって作られた」ものですから、基本的には欧米人に通じません。
次の章では、分野別に「面白い和製英語」をみていきます。
英会話中に、普段うっかり使っている言葉がないか、チェックしてみてください。
和製英語と外来語は違う
外来語は外国由来の言葉
和製英語は「日本語」、ゆえにネイティブには通じない
和製英語について、分野別に紹介していきます。
これらは日本生まれの言葉なので、原則としてネイティブには通じません。
こちらは英語でpancake。
最近は喫茶店でも、パンケーキの呼称が一般的になってきましたね。
mince+cutletからきました。
mince(ミンチ)は肉を切り刻むこと、cutletはカツレツですね。
あえて英語で言うならfried meat cakeでしょうか。
英語でcorn dog。
アメリカではトウモロコシ粉が使われているからだそうです。
英語ではsugar lessあるいはsugar free。
英語ではbuffet。
いわゆるビュッフェ形式ですね。
帝国ホテルが由来とか。
英語ではscarf。
mufflerという語もありますが、どちらかというと車の排気消音機をイメージします。
one size fits alといいます。
一つのサイズですべての人にフィットする、という意味です。
made-to-orderやtailor-madeといいます。
テイラーは仕立て屋さんのことですね。
英語ではsleeveless。
英語でflip-flop。
flip-flopには別の意味で「パタパタ鳴る」というのがあり、足の裏に付いたり離れたりして「パタパタ」することが由来とか。
英語ではapartment buildingやcondominium。
mansionは「富豪の大邸宅」を意味します。
bathroomやrestroomといいます。
toiletでも通じるのですが、直接的過ぎてネイティブに引かれます。
英語ではdepartment store。
departmentは(会社などの)部門、売場という意味です。
wedding aisleです。
aisle(アイル。sは発音しない)は通路、道という意味です。
laundryまたはcoin-operated laundryといいます。
コインランドリーでは、「コインを洗う」になってしまいます。
英語ではScotch tapeといいます。
メジャーなブランドが、そのまま一般名詞になったケースです。
英語ではstapler。
stapleは「釘どめする」という意味。
英語ではkey ring。
ケース状の場合はkey caseになります。
camcorderです。
カメラのcamに、レコーダーのcorderが付いた造語です。
英語ではsticky label。
逆にsealだと、封印という意味になります。
テレビなどで活躍する人の意味ですが、直接的な英語訳はありません。
たとえばactorとかsingerとか、はっきり職業で表現します。
英語ではphotographer。
実は英語でも、映画のカメラ技師のことをcameramanと呼んだりします。
英語ではcaregiver。
ケアを与える人ですね。
英語ではmediaとかjounalism。
マス・コミニュケーションからの造語ですね。
英語ではoffice worker。
英語ではcomplain。
claimだと「要求する」という意味です。
my own paceになります。
「マイ~」という和製英語は多いですね。
英語ではbreast enhancement。
直訳すると、「胸を誇張する」です。
complexだけだと、固定観念という意味です。
英語で劣等感のことは、inferiority complex(劣っている固定観念)といいます。
そのものずばりの訳はないのですが、life-of-the-partyとかlively personといいます。
ネイティブには通じないけど、面白い和製英語
あらゆる分野に和製英語は存在する
カタカナ語好きの日本人?
ここまでさまざまな和製英語をみてきましたが、カタカナ言葉の中には英語として通じるんだけど意味が違う、という厄介なものがあります。
たとえばナイーブ。
日本語では「無垢」という良い意味に使いますが、英語では「無知」(悪い意味)です。
nativeという用語について考えてみます。
私たちは「ネイティブ・アメリカン」を「生粋のアメリカ人」という意味で使いますが、正しいのでしょうか。
nativeを辞書で引くと、以下のような意味が出てきます。
したがって2の意味に取られると、軽蔑的なニュアンスが生じる場合があります。
つまり「ネイティブ-アメリカン」と言った場合、「米国開拓時代のアパッチ族」を意味する場合もあるのです。
この語を使用する場合は、netive English speaker(英語を第1言語として話す人)とすれば誤解の余地はなくなります。
次はsmartです。
太っていない、という意味ではありません。
前述の辞書によると以下の意味です。
英会話の中では、2の方の使い方が多いような気がします。
例文は、She's smarter than har brother.(彼女は兄より出来がいい)という風に使います。
逆に「太っていない」という意味の英語は、slimまたはleanでもいいかもしれません。
通じるけど意味が違う和製英語にご注意
ネイティブは原住民?
スマートは痩せている、ではない
「掘った芋、いじるな」(What time is it now?が、そう聞こえる)の例でもわかるとおり、日本人にとって英語のリスニングは難しいものです。
ですから、聞き間違いから発生した和製英語も存在します。
ここでは、以下の2つを紹介します。
最初はワイシャツ。
white shirtがワイシャツに聞こえたことが理由でしょう。
最近でこそ、ビジネスシャツ(ジャケットの下に着て、ネクタイを締めるシャツのこと)にも、色物や柄物が普通ですが、つい50年ほど前は、ビジネスシャツ=白いシャツ、でした。
ですから、white shirtだったわけです。
ちなみにこの語を続けて発音すると、「ワイッ、シャッ」のような感じになりますので、聞き間違えるのももっともですね。
ちなみにビジネスシャツのことを英語では、単にshirtといいます。
ワイシャツでは通じません。
次はミシン。
sewing machine(ソーイング・マシーン)からsewing(縫う)が欠落して、マシーンだけが残り、それがミシーン、ミシンに変化していった、といわれています。
ちなみに明治時代のミシンの広告記事には、シウイングマシネとの記載があるそうです。
なんかローマ字読みみたいですね。
そこから徐々に「ミシンという語」まで短縮していったことを考えると、歴史の長さを感じさせますね。
日本人は英語の発音を聞き間違えやすい
ワイシャツは英語ではない
ミシンの語源はマシン
番外編として、ネイティブに伝わる(通じる)日本語です。
日本で生まれた言葉で、ワールドワイドに広がっているものが「ネイティブに伝わる日本語」と考えていいでしょう。
どんな日本語がワールドワイドになったかというと、日本古来のもの、日本固有の食べ物、ユニークな最近の文化・風習などがあります。
以下にリスト化してみましたので、参考にしてください。
<日本古来のもの>
日本語 | 英語 |
---|---|
武士道 | bushido |
芸者 | geisha |
柔道 | judo |
歌舞伎 | kabuki |
空手 | karate |
刀 | katana |
忍者 | ninja |
侍 | samurai |
相撲 | sumo |
浮世絵 | ukiyo-e |
盆栽 | bonsai |
<食べ物関連>
日本語 | 英語 |
---|---|
弁当 | bento |
枝豆 | edamame |
抹茶 | matcha |
味噌 | miso |
納豆 | natto |
ラーメン | ramen |
刺身 | sashimi |
そば | soba |
すき焼き | sukiyaki |
寿司 | sushi |
天ぷら | tempura |
照り焼き | teriyaki |
豆腐 | tofu |
うどん | udon |
焼き鳥 | yakitori |
たこ焼き | takoyaki |
とんかつ | tonkatsu |
<文化関連>
日本語 | 英語 |
---|---|
マンガ | manga |
折り紙 | origami |
オタク | otaku |
布団 | futon |
畳 | tatami |
可愛い | kawaii |
リスト化しましたが、実はこれはごく一部でしかありません。
こんなに日本の言葉が世界的にポピュラーになってると再確認できて、なんか誇らしい気持ちです。
よく使いそうな「外国人にも伝わる日本語」を覚えておいても良いかもしれません。
ネイティブ通じる日本語は日本古来のものが多い
食べ物や文化的なものも多い
世界に発信する日本文化が増えれば、通じる日本語も増える
さて、ここまで和製英語を中心として、その他外来語など英語学習者が間違いやすいカタカナ語について説明してきました。
理解度は深まったでしょうか。
ひと口にカタカナ語といっても、いろんなケースがあるのですね。
しかし思うのですが、日本人である限りカタカナ語に関連するミスは、いかに英語上級者になっても発生するのではないのかな、と。
でもそれが悪いと言っているのではなく、英語学習者としてミスはすればするほど「恥ずかしい経験」として記憶に残ります。
きっと先人たちもたくさんの「恥ずかしい経験」をして英語を身に着けて来たのではないでしょうか。
みなさんも多少のミスなどにひるまず、どんどん英語を使ってたくさんの経験をして、確かな知識を習得していきましょう。
「和製英語」に関してよくある質問を集めました。
どちらもカタカナ語ですが、和製英語は日本発祥であるのに対し、外来語は「諸外国から入ってきた語」をいいます。
外来語は外国由来ですからネイティブに通じる可能性がありますが、和製英語は「日本生まれ」なので原則として通じません。